中学~高校 ⑦
むっくんと付き合いだしてちょっとジャイアンのことを思い出さない日が増えた。
むっくんは、趣味が一杯。
モトクロスバイクやマウンテンバイクが好きで、DJなんかもやったり、むっくんの周りもいつも友達や後輩がいっぱい。
私がむっくんと遊ぶ時も二人だけの時の方が珍しいぐらい。
いつも男の子5~6人に私一人女の子。
『友達と遊ぶ時は私いない方がいいんじゃない
』
『なんで
茶々も一緒の方が楽しいじゃん
』
私は人見知りとかしないし、誰でも平気で喋れるからいいんだけど・・・あちこち行った先で
『茶々は俺の友達だから。宜しくな~
』
・・・友達
でも付き合ってるんだよね![]()
『彼女て言うと、みんな気を使うから。。。』らしいけど。
とは言ってもやることやってるし
、毎週模試の後には高校まで迎えに来てくれてたし、
まぁ、そう言いたいならそれでいいや。
私自身、ジャイアンを忘れたわけではなかったから友達ならその方がいい、てのもあったし。
むっくんとつきあいだして3カ月ぐらいたったある日、家の電話にたまたま出た時、
『もしもし
』
『・・・茶々
』
『ジャイアン
どうしたの
』
『お~
元気そうやな~ お前がすぐ出て良かった~』
『びっくりした
なんかあったの
』
『別に。どうしてるかな~と思って。』
『仕事はどう
夜の仕事は
』
『今、ホストやってるんだ~』
『ホスト~
似あわない~
』
『今、先輩と寮に住んでるからさ~お前、あそびに来るか![]()
先輩に可愛がってもらってるんだ![]()
すっごい良い人だからお前にも会わせてやるわ~』
『ふ~ん、良かったね、仕事も上手く言ってるなら良いよ。
・・・でもなんで
』
『どうしてるかな~と思って。掃除でもしに来てくれよ。』
『彼女は
』
『一杯いるぞ~
』
『じゃあ、私行かなくていいじゃん
』
『そんなこと言うなよ。お前は彼氏いるの
』
『いると思う。けどみんなの前では友達って言われてるわ。』
『なんだそれ
ひっで~な~じゃあ、いいじゃん。明日来いよ~待ってるからな~』
久しぶりに聞いたジャイアンの声。
ほんの4カ月ぶりぐらいだけど懐かしい・・・
声を聞いたら無性に会いたい。
ほんの少しなら会ってもいいよね![]()
次の日、ジャイアンから聞いた住所に行ってみた。
近くの公衆電話から昨日聞いた番号に電話して今、近くまで来てるよと伝えると
『わかるだろ
上がってこいよ~鍵開けておくから』
『え~
間違えないかな
』
『大丈夫だわ
』
『こんにちは~
』
『上がってこいよ~』
ジャイアンの声だ![]()
『ジャイアンだ~
元気にしてた
』
『お~お前も元気そうやな~
相変わらずやな~変わらんな~』
『あ
』
久しぶりのジャイアン。
ジャイアンはちょっと変わったね。大人っぽくなったかな。
そしてジャンボさんという先輩を紹介してもらって。
ジャンボさんは名前の通り、かなりでかい![]()
身長180以上あるよね
体重も100キロぐらいある![]()
ジャイアンも大きいのに(身長180センチ、体重は65キロぐらい)、小さく見える![]()
ジャンボさんはホストではなく厨房で料理を作ってる人なんだって。
ジャンボさんからもジャイアンが頑張ってること聞いたり、店のこときいたり、こんな客いるんだぞ~とかね。
久しぶりに会ったのに久しぶりじゃないみたい。
出勤までケラケラ二人で笑って、喋って。
でもそろそろ時間だからと準備してるのみたらやっぱり違う世界の人だよね。
『私も帰るね。』
『その恰好じゃ外寒いぞ。俺のコート着て行けよ。』
『いいよ。返す時ないし・・・』
『なんでそういうこと言う
』
『だって別れたんだよ
』
『・・・そうだな。返すのはいつでもいいから着てけ
受験生が風邪ひいたらいかんだろ』
『じゃあ、そうする。コートは貰っておくわ
』
『それでもいいぞ。じゃあ、気を付けて帰れよ。なんかあったらいつでも電話しろよ。』
『分かったよ~
』
ジャイアンのコートからは懐かしいジャイアンの匂いがする・・・
やっぱりまだジャイアンのこと好きだ・・・