中学~高校 ⑤


夏休みが始まり私は補講や模試に追われ、忙しい毎日を送っていた。

ジャイアンは昼は仕事、夜は夜間に。


毎日のように電話はしていたけど会える時間は全くない。


そして私の夏休みが終わりそうなある日、ジャイアンは夜間を辞めた。


理由は『夜の仕事をしたいから』


夜の仕事をすると聞いて私は


『やりたい仕事ならいんじゃない』

『会えるように時間作るからなビックリマーク 心配すんな。』


反対することもなかったけど、

私たちは前にもまして時間が合わなくなっていった。

合うわけないよね・・・合わないのは時間だけでなく話題も・・・

そう感じていたのは私だけではなく、ジャイアンも。


そんなある日


『俺達、別れよっか。普通の高校生と夜の仕事やってる俺とは違いすぎるな。』


『そうだね。その方が良いね。最後にどっか遊びに行こうか』


『そうだな。何処がいい!?


『楽しいところがいいな。遊園地は!?


『いいぞ~じゃあ、次の日曜な。』


『うん。お弁当作っていくからね~』


日曜日。

一日中、遊園地で遊んだ。

この時は、夜の仕事する前の二人に戻ったみたいだった。

帰りの電車の中もいっぱい喋って、ホントに別れるの!?て感じだったな。

最寄りの駅に着いて


『楽しかったな。受験頑張れよ。』


『うん。ジャイアンも頑張ってね。』


『じゃあ、俺行くわ。』


『うん。』


最後まで二人ともバイバイとは言わなかった。

・・・・私は言えなかった。

いつもと違ったのは


『また明日』


がなかったことだけ。

不思議と私は泣けなかった。

どこかで別れた方がいいと納得していたからなのかな。

2年半付き合って、大喧嘩して別れたわけでもなく、大嫌いになったわけでもなく、

あっけなく別れた・・・そんな感じでった。


私が本当に寂しくて悲しくなったのは別れて暫くたってからだった。