鎌田敏夫さんの書かれたテレビドラマ「男女7人夏物語」。


明石家さんまさん・・・ツアーコンダクター

奥田瑛二さん・・・大手商社マン

片岡鶴太郎さん・・・結婚式場フロアマネジャー

池上季実子さん・・・カストマディーラー

大竹しのぶさん・・・フリーライター

賀来千香子さん・・・照明デザイナー見習い

小川みどりさん・・・ウグイス嬢


放映は昭和61年、まさに昭和の終わりの時期。

奥田瑛二さんと池上季実子さんがドラマの中の「モテ役」。

この頃「カッコいい」とされる職業がイメージできます。


■フレーズ42 関川夏央さん「昭和の家族」より


「あの子は一所懸命自分をかえようとしているんだよ。」


(新潮文庫p275)


野上(奥田瑛二さん)が良介(明石家さんまさん)と千秋(池上季実子)の間柄のぎこちなさを見かねて忠告する場面のセリフだそうです。


本文中、このフレーズが、関川夏央さんらしい視点でこう解説されます。


「『自分をかえる』はこの時代の青年のキーワードのひとつであった。人間関係への不適応は自分が悪い。だから自分をかえなければ、という自責の発想で、『自己肯定』から出発しがちな現代とは対照的だ」


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よく考えると、「自分を変える」には

「①成長する」

「②周りにあわせる」

の2つの意味があり、その背景には、関川さんのいう「自責の念」とともに、「成長した結果~の状態になる」という「目標」や、「周りにあわせることで~と評されたい」という「理想」のようなものが感じられると思います。


つまり、

「自己否定」によって理想が具現化し、「自己否定」から成長が始まる・・・。



一方、関川さんが「現代にありがち」とする「自己肯定」からは、「こうありたい」というイメージが涌きづらいように思われます。

現状を肯定すれば、理想が具現化しない・・・。

現状を肯定すれば、成長の必要性を感じない・・・。



昨今「個性」の重視が求められることが多くなっています。

確かに重要なこと。

「みんな違ってみんなイイ」は素敵なフレーズ。

他人の個性を尊重することはとても大切なこと、これを否定するつもりは全くありません。


でも、「『自分の個性』までをも、他人の個性の如く尊重しなければならない」ということではないと思います。


自分の個性を否定することは悪いことではない。

そんなことを意識させられたフレーズでした。


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少なくとも私は、「自分の個性の尊重」することで「自分の成長を抑制する」ことになってしまうことがないよう、注意したいと思います。