1)今、私達は誰人もがITの恩恵により、かつてない利便性と効率性と快適性を享受しています。
然し、かつて熱望し、限りなく憧憬し夢想化していたUbiquitousのIT社会とは裏腹に、現実は
IT固有の気儘の故か、過剰な放恣放埓と陋劣な狡智を生み、卑劣で狡猾な強慾性を煽り、
手練手管の一攫千金の虚妄を肥大化させ、然も猛り立つ様な貪婪性と、醜悪な驕慢性と猜
嫉性を唆かし、法理と常軌を逸した邪悪で凶悪な、戦慄すべき破滅的物欲主義を生み出して
います。
2)即ちITの過剰な利便性には、麻薬中毒の様に、ある種の万能感に陶酔させ、徐々に理性を麻
痺させて、内的精神を痴呆化し、遂には自堕落に錯乱させゆく悪魔的要素が内在しています。
人々はその毒気に容易に侵され、その結果、ごく普通に熟考し吟味し、煩悶し懊悩する基本の
精神性が衰弱し、内なる心の恥部(貪慾・嫉妬・愚痴・慢心・猜疑)への制御力も、魂の基本の
抑制力(良識・礼節・清廉・高潔・羞恥心)迄も喪失していく内的崩壊にさらされています。
3)そこには魂の鍛錬葛藤も心の精進練磨も、また精神の陶冶成熟すらもなく、況や礼節や羞恥
心も、また謙譲心や自制心さえもなく、ただ徒花の如き野望と栄達への狂おしい焦燥喝仰が
蠢動しているだけです。何ら尊貴なSacrificeもAllegianceもなく!!RemorseもAgonyすらもなく!!
従って、精神力と判断力は軟弱化し、思弁力も幼稚化し、自己規制力や道徳的意思力も衰退
し、まるで地球温暖化による氷河溶出の様に、倫理基盤がMelt Down(溶融化)しつつあります。
4)故に、物慾主義の猖獗に対し、精神的規範は急速に弛緩し、先憂後楽の気概もNoblesse
Obligeの矜持も喪失し、四無主義(無気力・無関心・無感動・無責任)と利己主義と破廉恥性の
みが瀰漫し、尊厳性(Dignity)や公正性(Justice)や倫理的免疫力(Immunity)等々の静穏な
社会に不可欠な要素が著しく衰微し、Moral hazard(倫理崩壊)の病原菌が社会の隅々まで伝
播し、利己的慾情が奔流の如く社会を覆い尽くし、兇悪事件が日常的に頻発しているのです。
5)即ち、峻烈な娑婆世間の様々な呻吟や労苦を回避し、ITの潜在的魔力の中に惑溺し、麻酔的
万能感に耽溺して、現実との格闘から遊離していく内に、宛も神の如き縦横無尽の無限の威力
を得たかの様に増長錯覚し、驕慢と欺瞞の虜となって、猛々しき強慾強慢を重ね、反社会的迷
走に錯乱していくのです。従って狡智と利殖のみが蠢き、功利を超越した信義や献身や倫理的
高潔性など望むべくもなく、それのみか反省すべき落度にも「So what!」と無節操に居直り、
Sollenは疾に氷山溶出の如く、液状化し頽廃化しているのです。これこそが、ITが生み出した時
代の寵児の多くの心象風景です。即ち、ITは無数の厚顔非道と偽善欺瞞を生み、貪婪なEgoism
・Nihilism・Mamnonismを煽り立て、修羅と憤怒の弱肉強食の物慾主義的な荒廃に駆り立てて、
物神主義を時代思潮として崇めていくのです。
6)然も、IT化によるGlobalizationという地球規模の価値観の大変動が時代も社会も人も、一挙に
呑み込み、誰もが何か大惨事(バイオテロ・自爆テロ・殺戮虐殺・掠奪強姦・飢饉恐慌)が起こる
様な、漠然たる予兆に脅え、全く予期せぬ途方もない悲惨事が、津波の様に押し寄せて来るの
ではと底知れぬ不安と恐怖に、そして深刻な衝撃と震撼にさらされているのです。
就中、9.11同時多発テロ以後の容赦なき暴虐と殺戮惨劇は、最早、人間理性の最後の防衛壁
までも剥ぎ取り、法治も分別も良識も通用せぬ凄惨な滅亡的現実を人々につきつけ、未曾有激
烈な歯止めなき社会の恐怖と、深い絶望的な厭世観と虚無的な失望感を人心に植付ています。
7)然しながら、当然の如くIT自身が諸悪の元凶でない事は、今更、言うまでもありません。
IT以前に、その善用、悪用の有無は、人間理性の対応如何である事は言うまでもありません。
第一に、宗教心の欠如による倫理性の喪失が、ITの悪用を唆かし、卑劣で狡猾な偽善的犯罪
を増長させています。第二に、宗教心の過剰と教育の欠如による狂信的盲目性が、IT悪用を
煽り、致命的テロリズムと破滅的狂乱を煽動しています。第三には、偏狂的なイデオロギー教
育と宗教蔑視による偏執的憎嫉が、ITの致命的悪用を促進し、大量破壊兵器・自然破壊・地球
公害化を錯乱させています。即ち、ITによる致命的悲劇は、人間自身の宗教性と教育性の有無、
更に理性的精神の正邪に起因する事は論を待ちません。従ってITと宗教と教育の相関性は結
局、人間の内面の心という最も困難な、永遠の課題に帰着するのではないでしょうか!?
8)絶えざる不和と不幸を胸中に宿し、悩み尽きない人間の心!!成功の頂点を目指し、ひたすら聖者
の如く悪戦苦闘しながら、多くの犠牲と悔恨と傷心を代償にせざるを得ない複雑な心の錯綜。
勝利しながら、名誉と栄達の代わりに、勝利以上の何かを失い、失意と不幸に傷つき、悲嘆にう
ずくまる複雑微妙な心の迷妄。これらの、如何なるものによっても制御しがたい、心の制御こそ、
ITを人類の平安の発条となしうるか否かの基本である事は、言うまでもありません。
9)故に、IT(「電子メール・暗号通信・携帯電話」等の電子媒体)を悪用した液体爆弾による無差別
殺戮は、心の教育の不可欠性と真の宗教の緊急性を私達につきつけています。即ち盲目的狂
信性を拒否し、普遍妥当性に基づく科学的合理性は勿論、何よりも生命を慈しむ慈愛こそが真
実の宗教には不可欠である事を!!神や宗教や教理の名に於いて、他者の生命を殺戮し犠牲に
する倒錯的悪虐は、宗教の自殺行為なのです。況や純真な青年達を悩乱し、自爆テロを殉教
者の使命と洗脳し、人間爆弾による地獄的争乱を殉教者の為すべき聖戦と狂信させ、然も神の
名による戦乱と殺戮を、そして無葦の生命の大量虐殺を煽動し、正当化する地獄的暴虐は、宗
教を僭称する悪魔的虚無主義に過ぎません。即ち、生命自身が究極であり、人間自身が目的で
あるにも拘らず、常に宗教を人間の上位におき、教義の為に人間を手段化し、道具化し奴隷化す
る宗教は、宗教を偽装する似非宗教にすぎません。そこには常に教義によるEthnical cleansing
という名のGenocideとHolocaustが渦巻いているのです。従って、似非宗教は断乎、自滅淘汰す
べき現代の最悪の欺瞞と言えましょう。
10)それにしても私共は何故、木々を渡る一陣の風のそよぎにも心潤す、至上の安らぎを見失い、
優しさと労りと憐れみの、掛替えなき至上の価値を忘失し、狂熱に狂乱していくのでしょうか!?
ひとひらの花びらのたおやかさを慈しむ、哀切の情を見失い、他者の不幸と犠牲の上に、自ら
の栄達と権力もとめ、譫謗と争乱たえなき娑婆世界にのめりこむ愚かさ!!他者をなぎ倒し、自身
のみ勝ち抜かんと、如何に焦心狂騒すれども、所詮、他者蹂躙は怨念と報復と破滅の連鎖を
紡ぐ虚妄の徒労に過ぎず!!何という浅ましい、哀れむべき、人間の恥ずべき悪業でしょうか?!
多少の勝利や成功とて、畢竟、「露とおき、露と消えぬる我が身かな、浪花の事は夢のまた夢」
の太閤秀吉の痛恨の辞世句を想起すれば、高ぶり驕る勝他の念の空しさが胸に沁みわたります。
11)思えばIT化により、何と世界は一変し、原理的狂信の凶暴化と凶悪化を誘発した事でしょう!!
富裕と安定を招来するはずのITの出現は、想像を絶する惨劇を多方面で生起しつつあります。
宗教の名による同時多発テロの暴虐と殺戮、神の名による自爆テロの虐戮と惨姦、民族浄化に
よる大量虐殺と戦争犯罪、原理的狂信による掠奪強姦と闇核市場、全ては人類の破滅をも招来
しかねません。更に足元の至るところで劣悪な「詐欺・偽装・捏造」や致命的な「粉飾・虚飾・偽計」
が日常的に噴出し、更に「欺謀・誘拐・殺害」等々の渾沌が頻発し、挙句の果ては神々の憤激の
懲罰であるかの様に、未曾有の異常気象(大地震・大津波・大洪水・超台風)が、地球規模でここ
かしこに来襲し、誰もが暗澹たる戦慄と暗鬱に胸えぐられる想いをしています。
12)故に、大地震も大事故も大惨事もなき今日の無事故と無事安穏の、何と有難い事でしょうか!!
この大いなる自然のSomething greatによる今日の平安と安寧の、何という素晴らしさ!!
私共はこの何もなき日常の静安を心より感謝し、日々の平安の、この上なき至尊の価値をしみ
じみ噛み締め、折々の悲喜と哀歓をかたく抱擁し、言い知れぬ悲しみと慈しみと憐れみを内に秘
め、大切に丁寧に、努力していきたいと思います。そして内憂外患こもごも、欝情たえなき日々に
於いて、今日のつつがなき無上の平安も、只ひとえに生きとし生けるものの恩恵により、辛うじて
賜りし束の間の安息にすぎない事を、深く生命の奥底に刻みこみ、毫も砂上の楼閣とならぬよう、
誠実に誠実に、更なる感謝と緊張抱きて真剣に奮闘していきたいと思います。
そして空しき虚栄虚飾や毀誉褒貶や中傷誹謗に煩わされる事なく、哀惜の想いを胸に、ただ安ら
かな静安と健やかな平安の、永遠なる事を祈りて、日々の激動に打ちのめされる事なく、今日も
真摯に丁寧に、非情苛烈な修羅と向合い、果敢に挑戦し、闘争していきたいと思います。