四葉のクローバー #3














それから俺たちは頻繁に連絡を取り
時間が会うときはこうして図書室で話した。


俺にとって至福の時間、なんて。






いろんなことを話した。
俺が引っ越してからどんなだったとか
バイトの話や心友のシゲのことも。


だけど、決まって


「葉月は?中学とか、どんなやったん?」
『……。私はとくになんもないで、平凡。』

面白くないよ、と笑いながら

『シゲくんでさ〜』と話をかえる。




自分の過去を話したがらない。
初めは特に気にはいていなかったけれど、
ここまでくると、なぜ?と疑問が湧いてくる。



それに"四葉のクローバー"の話を
まだ一度もしていない。

もちろん何十年も前のことだから
持っていなくて当然だし、忘れていて当然。






でも少しだけ、寂しかったりもする。






(彼氏おるか聞いとかなあかんで!)

ふとシゲの言葉を思い出した。

そうやそれ聞いとかな、、
彼氏おったら元も子もない。





「葉月ってさぁ、あの〜」
『なにぃ??』


「好きな人とかおんの…?」





『んふふ、え〜ひみつ?笑』


そう言って自分の携帯で顔を隠した。
隠しきれてないその顔はちょっと照れてて可愛い





「…へ?ひみつなん?笑」



あ〜これ、好きなやつおるな……。













『なんてね!冗談!!おらんで!』
「なんやおらんのかい!笑」




そんなツッコミを入れるが、
同時に"俺の事も何とも思っていない。"と
言われている感覚に襲われる。

なんとも言えない切ない気持ち。










やっぱり、四葉のクローバーの事忘れてんな。










『トモくんはおらんの?』
「…へ?」
『好きな子!!おらんの?』






「葉月。」








とは言えず、


「ん〜好きっていうか…気になる的な?」
『へぇ〜おるんや〜?いいね〜恋してるね〜!!』


俺の二の腕あたりを指でツンツンしてくる。



……いや、お前やねんけどなぁ。





『てゆか、トモくんは彼女おるんやと思ってた。』






「いやいや、おらんよ。笑」


というか、お前の事引きずってできへん。








『めっちゃモテるやろ?私の周りもカッコいいって言ってる人多いで?』

「それは素直に嬉しいけど…」

『鼻の下伸ばさんとって!笑』










正直今まで付き合ってきた人達に
本気で好きになった人が居たかと聞かれたら
申し訳ないが難しい。


告白されたから付き合う。
俺の事好きって言ってたし、普通に可愛いし付き合う。

という、なんとも言えないダメ男っぷり。








そんなこと葉月には話せへんけど。









『うわぁ〜みて?これめっちゃ美味しそう!』




差し出された携帯に写っているのは
美味しそうなスイーツの写真。

今は流行りのSNS



「え!めっちゃ美味そうやん!」
『トモくん甘いの好きなん?笑』



……この流れは、、




「めっちゃ好きよ!シゲとかめっちゃ誘うもん!!」

断られるねんけど、、笑



『え〜、そうなんやなんか意外〜!笑』






この流れはたぶん、勇気を出すやつや。



『うわ、こっちも美味しそう〜』










「食べに行く?」


『んふ、行く?』






 
「来週の土曜!!俺バイトないねん!」

『…来週…ど…よ……わたしもない!!』

「よっしゃ決まりやな!!」












こうして葉月との初デートの約束をした。

ふぅ〜。
ここからが俺の見せ場



今からドキドキが止まらない。





好きな子とのデートってこんなにもドキドキすんねや……















「へぇ〜、デートいくんや?笑」
「…いくねん。」
「通りで最近の神ちゃんはご機嫌なわけや、笑」
「…いや、そんなことはないで??」


「だって最近ノート見してって言っても怒らへん!」
「……そんなんいちいち怒ってたらキリない。」




「あら、そうか。」

アハハハッ!と笑うシゲ。
だけど、俺の心ここに在らず…



とりあえず、デートプラン考えな、、