佐藤天彦九段

 

 

この記事において注目したい佐藤天彦九段の凄いところは、


「…高校在学中、16歳の時にはフリークラスであれば四段昇段、プロ入りを果たせる権利を得ていたが、師匠である中田功八段(52)が三段リーグで同世代としのぎを削るべきという考えを受けて、これを辞退。2006年度の前期リーグで、全体2位の成績で晴れてプロ入りを果たした」


上記部分。



16歳でプロデビューできる権利を放棄して、しのぎを削るために三段リーグで頑張ったというのは凄いことだ。



もし仮に16歳でプロデビューしていたとする。

棋聖戦などの比較的挑戦者になりやすいタイトル戦に出場し、藤井聡太七段のように活躍できていた可能性だってあり得る。

そうなれば将棋界の歴史の中心に居座ることができたかもしれない。

(すでに名人3期の時点で将棋界の中心的存在なのだが…)



それを蹴ってまで厳しい道を選ぶ根性と精神力。

この点を尊敬して止まない。



確かに豊島将之名人は強い。それに挑戦している渡辺明三冠も強い。この二人に挑み始めた藤井聡太七段も強い。



ただ、羽生さんという憧れの存在を倒して名人位を奪取した点において佐藤天彦九段の精神力は計り知れないものがある。



木村一基王位がおっしゃっているように、将棋で負けると悔しい。対局相手に対して「ちくしょー」という気持ちになる。感情を抑えるのは大変だと感じる。



それにも関わらず佐藤天彦九段は感情をあまり表に出さない。穏やかだ。優しい雰囲気がある。局後インタビューでもイライラしている感じがない。



そういった人間性に見倣っていきたいのだ。