ある夢の中、
それは恵まれたもの。

心の何処かに、
それは置いて来た。

だから懐かしい気がしたんだ。

それは痛みの一種で、
扱いにくいものだった。

宇宙の図らいだったのだろうか。

その夢の途中、
何かが光っていた。

遠くの星のような、或いは温かい電球のような。

それを見ていたら、
なんだか思い出せる気がした。

静かな光沢のある、優しくて繊細な感情。

記憶の箱を開ければ、自然と見えること。

どの夢の続きにも、それらは潜んでいるね。

目を開けば、消えてしまう。

それは与えられた春の昼下がりに。