『お父さんはいいわね~。娘さんが側にいるんだもの!』



当てにされては困る。
そう心の中では呟くけど、苦笑いするしかない。



毎回実家に行く度に父が処方された薬の袋の束を見る。
その薬袋を見ると、母も同じくらい薬を処方されていたと思い出す。



ビタミン剤やらたくさん出された薬。その中でもよく飲んでいたのは痛み止めや、睡眠薬。
痛い、眠れない、お酒で薬を胃に流し込んでいた。
いつからあんなに大量の薬を処方されるようになったのか。



母は現在60歳だが、おそらく45歳くらいの時にはすでに10種類近い薬を処方されていた。
よく覚えている薬の名前がデパスという薬だ。
今はあるのかな?わからないけど。



よくお酒と一緒に服用していた。体調を崩して病院に入院した時に看護婦さんから、『お母さんはデパスを飲み過ぎる癖がある。ナースステーションで預からせて貰う』と言われた事があった。
睡眠薬や安定剤への依存もあったのだろうか…。



子供の頃から『しっかりした娘さんだね~』と言われ、大人になっても『娘さんが側にいて助かるね~』と言われる。



1つも嬉しくない。
言われる度に苦笑いするしかない。
子供の頃から何も変わっていないな。

 

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