1975年10月17日 私は、この曲を聞くことになる。

 

      Pickin' The Sun Down

      作曲:John Sommers

 

この曲を作ったのは、John Denver のbacking bandに参加していた John Sommers

ライブ中、唯一のインストである。

これまで、このタイプの曲を一度も聞いたことがなかったけど

Banjo と Dobro の掛け合い(当時は Dobro なんて楽器さえ、知らなかった)

スピード、スリル、軽快さ、に一発で魅了されてしまった。

(John Denver のトレードマークのような曲 Thank God I'm a Country Boy は、

John Sommers の作詞、作曲である)

 

      Thank God I'm a Country Boy                                         John Denver

      作詞、作曲:John Sommers

 

数か月後

大学入学時のクラブ勧誘で、なんの偶然か?(いや、必然だったのだろうか)

Banjo プレイヤーのT氏が私を勧誘する。

そもそも、ギタリストやベーシストと異なり、Banjo プレイヤーなんて極少数。

このクラブにもT氏1名しかいない

T氏は私に対して決定事項を伝えた「君は、〇代目バンジョー・プレイヤーです」

そして、その年の合宿でT氏が目の前で弾いたのが、この曲

 

      Randy Lynn Rag

      作曲:Earl Scruggs

 

この反則技とも取れる演奏中にチューナーを動かす行為

これは、チューナーに Scruggs-Keith tuners (2個で1組なので複数形)という装置が取り付けられており、要するに2点でチューニングできるようになる。

 

そもそも、ハイスピードで弾く Banjo さえ、まともに目にしたことがなかった私が

いきなり反則技付き超高速演奏を目にする。

これって、どうなのよ?

 

ちなみに Randy Lynn とは、作曲者 Earl Scruggs の息子 Randy Scruggs のこと

いかに赤ん坊の頃の Randy Scruggs がけたたましかったか想像できる。

 

  

      Randy Scruggs and Earl Scruggs

 

そして、私は Bluegrass という沼にズブズブと飲み込まれていくのであった。