大分お疲れのとある夕方過ぎ、
小腹が空いたのを満たす為に中華を売りにしている飲食店に入ったが来店数が少ないアイドルタイムなのに私は人生で初めての経験をする事になった。

入店してから女性店員さんがお水を出してくれたタイミングで食べたい物を注文して出来上がるのを待っていた。

お腹が鳴る。
水を飲んで誤魔化す。
お店のメニューを見て時を潰す。
スマホをイジってみる。

しかし、
後から来店したお客さんが注文した物が自分が頼んだ物より先に次々と配膳されてゆく。

その状況を見届けていると何時しか自分は完全にスルーされている時の歪みに身を委ねている事に気付くのに全く時間は掛からなかったが、やはり幾ら経っても頼んだ物が待てど暮らせど出てこない。

こんな事は初めてだ。

これ、
言わなかったら、いつまで出てこないんだろう?
と、
徐々に楽しみ始めている自分も確実に存在はしていたが注文された物をお客さんに早く提供する事を売りにしている店で私も限界を向かえたほど、ほどほどの時を過ごさせて頂いた事は当然の様に店員に言わなければそれほど広くは無い店内でただ水を飲むだけの私きっと無限ルーパーになってしまう。

注文したものが来ない。
注文したらそれがたまたま品切れ。
注文した物が間違って出てきたり、頼んでいない物が運ばれてきたりする。

この幾つかの例を参考に私が今まで飲食関係で見たり聞いたりして来た中での答えは世の中には飲食などのサービスを受けるお店に行った際にある一定の人だけがそう言った報いに当たってしまう統計がある。

トラブルとまでは言い難いがその人が引き込むタイミングが悪かったりするなど様々な可能性や色んな要素を踏まえてみても、所謂、違った意味で持っちゃっている人が存在すると言う事。

店内でそう言ったクレームを店員に大声で言っている人をたまに見掛けたりするが、きっと何処のお店に行っても同じ境遇や経験を何度も強いられてしまうと言う、所謂、違った意味で損を背負ってしまう人の様にも感じるが、きっと何処かにその原因を抱えている人なのだとも思う。

敢えて言えば、
今まで何か問題が起きた時に自分の言動について我が身を見つめ直すと言う襟の正し方に関してを希薄に済まして来た人に向けての罰がそこにあり、神様が与えているプチ災難の様な気がしてならない。

自分の周りでも飲食店などでそう言った報いをよく受ける人の話を聞いたりするが、今のあなたならそうなるでしょうねと言いたくなるその人のその時々や生活、性格など、何処かに難がある事が見た目も含めて滲み出てしまっている事を本人自身が気付いていない感はやはり否めない。

では、
私は今回、何故に初めてその状況に至ったのか?
きっと疲れていたのか影も薄く、
お店のオブジェになっていたのかも知れない。

店員さんは悪くない。
店員さんも人間だ。
たまたま忙しかったり、オーダーを取り忘れたり、頼まれた事さえも覚えられていないかも知れない。

でも、それでいいじゃないか。
誰も悪くはないと思いたいが、
それでも、
やっぱり、
腹は空く。

流石に私も横を通り過ぎようとした店員さんを呼び止めようとした。

が、

呼び止める前に注文を受けた女性店員さんは自ら私に駆け寄りこう言った。

【  お客様、ごめんなさい。
私、注文を厨房に通すのを忘れてしまいました。
テイクアウトのお客様でバタバタしてしまい本当にすいません。
今すぐにお出しする様にしますので
本当にごめんなさい 。
本当にすいません 】

と。

確かにテイクアウトのお客の頭の悪い、馬鹿かお前はと言いたくなる注文の仕方をしていたのは聞こえていた。

それでも、
自分の注文を忘れられていた事は仕方のないことで僕は全く怒っていないし、イライラもしていない。

何度も頭を下げながら謝る店員さんに、大丈夫、気にしないでと言ったのもそこに嘘はない。

報いをよく受けて文句を言う人との違いは、自分だけがとか、悪気があってやられているなどと勝手に思い込み、相手の立場になって物事を考えたり周囲の状況を冷静に感じとっていない心の余裕の無さが事の結果に繋がる。

お店側がお客さんに対してわざわざトラブルを起こす訳が無いし、悪気があってやった事ではないぐらい冷静に考えなくても誰もが分かる事。

そんなミスなんて全く構わないとまで思わせ、素直に自分の失敗を謝った女性店員さん。

清々しいほどのその謝罪は気持ち良ささえ感じさせて頂く中、私の大丈夫、大丈夫の言葉を受けてその女性は最後に謝りと共に渾身の一発を私にお見舞いした。

それは、

一瞬でその場を全てヒマワリ畑に変えるかの様な笑顔だった。

疲れていた自分が忘れていたもの。

そう、
それは、笑顔。

彼女のオーダーミスは私の疲れによる笑顔不足が原因によって生まれた報いかも知れず、結果的に彼女によって気付かされた笑顔の力。

ビジネススマイル乱発の日々は本当の自分の笑顔を忘れさせてゆく。

この日、
このお店に入ったのも、数いる店員さんの中から彼女がオーダーを聞いてきたのも、食事を済ますまでに時間が掛かったのも、全てが忘れ掛けていたものを気付かせる為の必然であったと捉えるならば教えてくれる人が側に居た幸せその事を沢山噛み締めよう。

私に気付かせてくれたその笑顔の持ち主はアジア圏の外国の方だった女性店員さん。
お会計の最後まで私に謝っていたけれどそれは対した事では無いんです。
誰にでも失敗はある。
頑張っているのに失敗してしまった人に罪はないんです。
何よりも大切な事は素直に謝る事が出来ることであり、それが異国の方でも日本人でも人して素直に謝る事が出来る事、それはとても偉いことだと思う。

大人社会もごめんなさいが素直に言える人が沢山いれば争い事も減るに違いないであろうとさえ思えた彼女の謝りは逆にこちら側が御礼を言いたくなるほど爽やかな気持ちにさせてくれました。

普段の生活に追われ、
エビ中、春のツアーに行けてない最近の自分は知らぬ間にあってはならない笑顔を忘れ、下を向いて歩く事に気付かされる。

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と、

思い気や、無理をすれば地方も行ける春ツアーは毎年場数を踏んで来た最終形を観る事に赴きを置く中で今年はこれから行われるNHKホールにて、とんでもない所で観させて頂く事が決定しているだけに日々笑顔が止まらない日常が続き、疲れが長引くと下を向いて歩いてしまいがちだが、
そこは、
『  絶対負けない! 』
と彩ちゃんが言い放って始まる曲、
【 涙は似合わない 】
の様に、
笑え、笑え,笑え、上を向いて、
と言う想いに帰されているから大丈夫なんです、私。

それでも、
やっぱり疲労困憊シーズンは笑顔が少なく下を向いて歩いてしまいがちなのは分かっている。

そんな中、
小学生半ばぐらいの女の子達三人が自転車に乗りながら笑顔で自分の横を走り抜けてゆく会話の出だしが
『 だって、ミズキはさぁ~ 』
と、ただ一緒にいる友達の名前を言って始まったであろう話なのにその名前が耳に入った瞬間、下を向いて歩いていた私は思いっきり反応して振り返ってしまう。


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当たり前だがそこに瑞季はいない。

知人との会話では
『 もう夏も近いね 』
と言われれば、
えっ、何? なつが近くにいる?
と動揺する自分がいる。


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当たり前だがそこになつはいない。

そして友人に
『 久しぶりに広尾で食事をした 』
と聞けば、
何だって?
久しぶりに裕乃と食事っ?
と憤慨して問い正してしまいそうな自分がいる。


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当たり前だがそこに裕乃はいない。

疲れによる脳内空耳アワーの展開はそこに自分の笑顔が無い病みの世界が待っていそうだが先日発売された横浜アリーナでの大学芸会ソフトがメイキングも含めて超が付くほど大変良く出来た作品であった事に加えて、久しぶりに瑞季、なつ、裕乃、三人の元気な姿をライブ映像の最後に観れた事は、あの数秒間のシーンだけでそこにある笑顔と号泣と感動の物語その全てを詰め込める力を持っている事に彼女達全員の人間性が如何に輝かしいものであるかと言う事を改めて教えられる。

転校しても尚、私達に笑顔と感動と涙を与えてくれる三人は本当に素晴らしい。
転校しても尚、心からありがとうと言えるメンバーがいたグループを愛し続けられる事は素晴らしい。

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そして、

気付けばエビ中から与えられている笑顔とパンを食べようとしたら口元にマスクをしているのを忘れ、口に運んだパンがマスクに当たり、そのマスクの裏ではしっかり口を開けて食べようとしている事に気付く日常で一人笑っている事が出来る救いの天然が間違いなく人生のプラスとして役立っている事を確認しながら、しっかり食べて生きようとしている自分を理解出来ているその延長にいつもの日々がそこにあるならば、後は笑っていれば、そのうち何とかなぁるだぁろぉ~おうと言う想いにゆきつく。

我がアイドルタイムは笑顔の帰還を示して頂いた事に加えて、
いっそ、
この言葉で疲れが取れないかな?

え~いっ、


ちちんぷい!


… やっぱ、無理か。


逆に疲れるわ。



zhen