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飲み場の会話の中で、いきなり

『 K E D O って、どぉ言う意味ですか ? 』

『 I A E A って、どぉ言う意味ですか ? 』

と、言う質問に思わず

『 ホワッツ ? 』

全く持って理解出来ず、皆が楽しく飲んでる状況に面倒臭い話題を振り撒くのは御存知、お久しぶりに登場の天然子ちゃん。

勿論

【 K E D O 】 は、朝鮮半島エネルギー機構
【 I A E A 】 は、国際原子力機関

だが面白いので、そんな事は教えない。

『 そう言う事は、自分で調べろ 』 と言い放ち、トイレに行くフリをして店を抜け出し、近くにある本屋に急ぐ私。

そして探していた物を発見し急ぎ足で店に戻った私は、おもむろに彼女を羽交い締めにし無理矢理、口を開けさせる。

『 お前、じっとしてろ 』

何が突然起こったのか理解出来ない彼女は、嫌がる様子もなく言われるがまま。

そこで、買って来た本を取り出した私は、その本の一ページ、一ページづつを破り彼女の口の中に詰めて行く。

そう、その本とは

“ 国語辞典 ” だ。

『 お前は、こうでもしないと物事を覚えん。 そら、あ行からだ。
さぁ~、心して食え ! 』

パラ酔いとは言え、やり過ぎたかなと思ったが、その状況に初めは “ 何が起こった !? ” と思ったらしい仲間や周りに居た他のお客さん達も気付けば大爆笑。

そして彼女本人を見れば、口に辞典の紙きれを含んだまま手を叩いて喜んで居る。

楽しいらしい。

良かった。

酷い ! と思う方も居ると思うが、そんな彼女の人間性や生い立ちを誰よりも知っているし、理解して居るつもりで僕は居る。

何でも相談して来たり、心を許して話てくれる若者は可愛いくもあり、歳の離れた妹の様な存在で何事も心配になるのは事実であり、彼女も私を良き理解者だと思ってくれて居ると信じている。

詳しい事は書けないが、幼い頃から本当の寂しさや苦しさを経験し、本当の兄弟の様にじゃれ合ったり、ふざけ合ったりする事、スキンシップや身内に物事を相談するなどを経験した事が全く無い環境で育って来た者には、他人とは言え、本当の兄弟の様に接する事、接して貰える事が嬉しくもあり、そして誰よりも絆が深い事を本人は知っている。

以前、僕は彼女に伝えた言葉がある。

『 人の役に立つ事。

人に誉められる事。

人に必要とされる事。

人に愛される事。

少なくとも僕や皆んなは、いつもお前の笑顔を必要としているよ。 後は今、言った様な人になりなさい 』

と。

その言葉に彼女は、ボロボロになって泣いていた健気な姿も僕は忘れる事は出来ない。

まぁ、そう言った仲でもあるので彼女との悪ふざけにも通ずる一連の遊びは、昔から続く伝統行事の様な物なのだ。

そして、また楽しく飲み始めた私達は、彼女が普通に辞典の紙を一枚づつ口から取り出す姿を見て更に爆笑。

『 この辞典、貰ってもいいですか ? 』

『 勿論、お前の為にわざわざ買いに行ったんだから 』

『 やった~ ! 』

ってなんだ、これ ? と、くだらなくも楽しい時の宴。

その後も会話の弾む中、わざと彼女を時折にらむと、自ら辞典の一ページを破って口に運び、ほうばる姿を見せる彼女は皆の笑いを充分に誘っていた。

その姿に私は

“ ん~、いいノリだ !
天然で笑いを取って来た、こいつも成長したなぁ ”

と、師匠ぶりを感じると共に、皆んなと彼女の笑顔に本当は



心の中で号泣していた。


zhen