東京でお笑いタレントを目指していたものの、芽が出ずに故郷に舞い戻ってきた、という設定はまだわからないことはないにしても、わけありの家庭環境についても、上京する動機についても、いまひとつ共感できなくて、結局、ストーリーにとけ込めなかった。
「どじで間抜けな」というキャラクターも既視感たっぷりで、仕事に対する情熱も感じられないところが物語に入り込めない最大の理由であって、なぜ、実家に帰ってきていながら、反発してばかりなのかも、まったく納得できなかった。
観光PR映画としても、もう少しましな筋書きで、多少は気の利いたセリフのひとつでもないと、旧所名跡めぐりも、テレビの旅番組の方が数をこなしている分、見どころを絞り込んで、印象に残るように圧倒的にうまく作られているように思われる。
クライマックスに持ち込むために、むりやり電車を突っ走らせるのも、あまりにも不自然で、カタルシスが落ちず、どうせなら、家族と和解し、同僚と分かり合えて、仕事に意義を見出すというありきたりながらも、定番のラストに持って行った方が物語としての余韻は残ったような気がする。
左義長での櫓の上での太鼓を叩きながらの「会話」はまったくの噴飯物であり、取ってつけるならば、もっとまともな磨き上げられたセリフでなければならず、陳腐な「ご当地映画」の一丁上がりであっても、安直なセリフの多過ぎるのには辟易した。