3月27日(水)から1泊2日で久しぶりに上京、JALのダイナミックパッケージで新橋愛宕山東急REIホテルに朝食つきで宿泊し、2日間にわたって、川崎大師や六本木ミッドタウン、上野公園などに立ち寄り、羽田空港から多摩川をはさんだ対岸の川崎のいすゞの工場跡にできた川崎東急REIホテルのランチバイキングや大師前の久寿餅、ミッドタウン内の粕漬で有名な「鈴波」で焼魚定食など、美食の旅にもなり、大いに楽しむことができました。
地方にいて感じるのは、東京や大阪などの大都市との明らかな文化格差で、とくに芸術に関しては、地方にいたのでは触れることのできない水準のものが多くあり、上京するたびに「本物」のすごさを思い知らされて、いてこまされて帰ることになるばかりです。
2日目に、上野公園のサクラを愛でたあと、国立博物館に行き、ぶらぶらと見て歩いたのですが、近代美術の展示室に米原雲海(1869-1925)の彫刻作品「竹取翁」がガラスケースの中に展示されていて、同行の方に、「大袈裟なようですが、今日の国立博物館の中で、この作品が一番最高ですね。何度見ても、見飽きることがありません」と話しかけると、「作者名は初めて知ったけど、有名な人の作った作品でなくても、ほんとうにいいなあと思える作品ってあるよね」と答えてくれました。
我が意を得たり、とはまさにこのことで、正鵠であり、以前に訪れた際に「竹取翁」がとても気に入って、初めて知った米原雲海をネットで検索して、「明治2年島根県安来市生まれ。高村光雲の弟子」と調べていたのですが、師の高村光雲の作品も見事で、ためいきが出て、ほれぼれするばかりであって、木彫りで躍動感ある作品を生み出す才能には感服して、ただただ仰ぎ見るのみ、「竹取翁」も、翁の姿が現実にいる年寄りの体形そのもの以上に年寄りらしい上に、滑稽さやおかしみを感じさせ、翁の驚きや喜びの揺れ動く感情が伝わってくるようでもあり、誰でも知っている物語が現実に起こったかのようにも思わせる写実を超えた造形だと思われました。
とくに美術について知識があるわけでもなく、学校に通った経験もありませんが、絵画でも、彫刻でも、陶芸でも、何であっても、数を見て歩いているうちに、ふと心に届いてくる作品があり、「これはいい!」と心底思える作品に出会うことは大きな喜びでもあって、とりわけ好きな作品の傾向は、おそらく自分の好みの深層の反映だろうと思われるので、芸術を深く理解している人に問いかければ、自分の気づいていない本性に気づかされることになるのではないかと思われます。