


プロ入りして、一軍に上がってきた時、レフトを守っているのに驚き、打撃としては、プロのスピードへの対応以上に、変化球に対応し切れていないように見え、打てるポイントが狭く、一点に決まっている印象でしたが、一度ファームで調整して、二度目に上がってきた時には、バットを振り出す際に、一瞬タイミングを遅くして、ボールを近づけて打つ「タメ」ができていることで、直球はもちろん、変化球にも対応でき、さらには、弱点とされた内角にも、バットをからだに巻きつけるようにスイングすることで、ボールが前に飛んで行くようになっていて、まるで別人になったかのような進化のスピードに、やはり只者ではなかった、という思いと、おそらくは課題を克服するために、素直に自分の欠点と向き合い、地道に練習を積み重ねて行ったであろうことが推測され。人気がものすごくありながら、天狗にもならず、ひたすら「野球」の技術を磨き上げて行くプロとしての姿勢に、尊敬すら覚えるようになりました。
もうひとつは、日本ハムの育成システムが、選手の能力を伸ばす方向に的確に働いているということであって、プロ野球選手は、二軍でいくら飛び抜けた成績を残したところで、給料が上がるなど何の評価にもつながらず、あくまで一軍の試合で結果を残せるかどうかが絶えず問われている世界であり、一度一軍に引き上げて、レベルを体感させ、二軍の試合の中では、弱点を極力なくし、長所を超一流の域にまで持って行くように調整して、それができれば、より一段高いレベルの一軍でも通用するようになるわけで、レフトを守らせたのも、守備においても足腰を鍛えるためだったそうで、プロで戦える体力づくりと、一軍でやって行ける高い技量を身につけるためには優れた方策であったと思われ、あとは本人の努力と意識次第だと思われてきます。
今年の夏、金足農業のエースとして準優勝に導いた吉田投手ですが、地方予選から、甲子園の決勝の途中までの投球過多を心配する意見もあって、同じように甲子園で投げ抜いた日本ハムの斎藤投手や楽天の安楽投手、オリックスの佐藤投手などを例に出して、プロでは大成しないのではないか、と見るのも無理はないとも思われるものの、アメリカに渡った田中投手や西武の菊池投手の例もあり、何をもって大成とするのかという基準は微妙ながら、1年目は体力づくりとしても、2年目以降、少なくとも、一軍で投げられて、勝ち星をいくつか挙げられるレベルの投手だろうとは見ています。
現時点で150kmを超える投球ができ、馬力もあるのに、大学に進学しても得るものは少ないし、回り道でしかなく、プロに入った方が、からだのケアなどの面でも将来につながると考えられ、今年のドラフトでおそらく1位指名されて、どこかの球団に入ることになるのでしょうが、プロに入ってからが勝負であり、150km超のストレートに加え、決め球にできるような精度の高い変化球を身につけ、田舎の好青年という感じの素朴さを保ちつつ、プロの打者をきりきり舞いさせてもらいたいもので、福井国体で素晴らしいピッチングを間近で見た者としても、これから大輪の花を咲かせてもらいたいと願っています。