


グラウンドに現れた瞬間からスタンドの注目を集めた吉田投手は、立ち上がりこそカみが見られ、ヒット2本と四球で二死満塁のピンチを背負ったものの、6番・伊藤を空振り三振に斬って取り、無得点に抑えると、2回に152kmをマークし、自己最速を記録すると、その後5者連続三振を奪うなど、常時140km台のストレートで押しまくり、時折投げるカーブとの差が30km近く、125km前後のスプリットもタイミングをはずすのに効果的で、5回まで4安打11奪三振と、圧巻のピッチングでスタンドを沸かせました。
三番・吉田投手は、初回一死二塁でセンター前に先制の一打を放つと、第2打席では三振したものの、第3打席では左中間へのライナー性の当たりをレフト榛村にダイビングキャッチされ、第4打席ではセンター前へクリーンヒット、その後三塁まで進むと、金足農業得意のスクイズでコールドゲームとなる7点目のホームを駆け抜けるなど、非凡なバッティングセンスで、打つ方でも大活躍を見せました。
この夏、物議をかもした「エースの投球過多問題」を中泉監督が忖度したのか、5回からは三塁を守っていた打川が登板し、吉田投手はライトへ、ライトの菊地彪がレフト、レフトの佐々木大夢がサードに回り、1-9、5-1、7-5.9-7と守備位置が変わっただけで、金足農業が金科玉条のように守りつづける「九人野球」はかたくなに貫かれました。
6回からライトの守備についた吉田投手でしたが、7回に、頭上を越えようかという当たりを背走して捕球し、転がりながらもボールを放さず、まるで勝利をつかみとったかのようなファインプレーで喝采を浴び、「野球の神様に愛されている男」として、投・攻・守に躍動した怪物に引きずられて一丸となった金足農業は、シートノックでは洗練された動きを見せ、組織的にまとまった常葉大菊川にまったく力を出させることなく圧倒し、「いきなり決勝」を制して、秋田に「優勝」をもたらせました。
※東北勢の国体優勝は、昭和27年7回大会盛岡商業があり、雨天打ち切りで平成22年聖光学院(6校1位)平成24年仙台育英(2校一位)があり。