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2007年3月31日に第1刷が出版されたみのもんた著「義理と人情」の表2には、著者近影と略歴が載っていて、「1944年、東京都生まれ。立教大学経済学部卒業。2006年6月、アメリカの経済紙「フォーブス」発表の「世界のセレブ100人」に日本人として初めて選ばれる。同年11月に、「一週間で、最も長時間テレビの生番組に出演する司会者」として、ギネスワールドレコーズに認定される。家業である水道メーター製造・販売会社ニッコクの代表取締役も務める」と紹介されていました。
「義理と人情」と単刀直入なタイトルはなかなかつけにくいものと思われますが、直言居士とか豪放磊落とかのイメージを植えつけたい人にとってはふさわしい便利な言葉であって、おそらくは最も好きな言葉であるとともに、ある種のキャッチフレーズでもあり、義理人情に厚いのはかっこいいという価値観の表れでもあるのかもしれません。
本の中身は、世田谷の裕福な家に生まれ育ったものの、大学に進学するあたりから家業が傾き始め、色んなアルバイトをするなど苦労して大学を卒業し、文化放送にアナウンサーとして入社、人気の絶頂から転落して、家業を継いで死ぬ気で働いて業績を急上昇させたものの、テレビやラジオへの未練は断ちがたく、文化放送時代のつてを頼って売り込んでも相手にされず、くやしい思いでいたところに、フジテレビから「プロ野球ニュース」の司会の仕事が舞い込み、以後は努力の甲斐もあって超売れっ子となり、毎晩のように銀座で飲み歩き、寝る間もないような中で、どんなに遅く帰ろうとも、本業のニッコクの全国の営業所からの書類に目を通し、「朝ズバッ!」の収録が終わった時間に楽屋に待機させていた秘書と総務と打ち合わせをし、夕方には経理と出入金事項を確認、指示を出し、移動の時間には書類に目を通すという多忙な日々を過ごし、さらには取り巻きを引き連れて飲み歩く充実した日々が書かれ、銀座や祇園の流儀であるとか、タクシーの運転手や下働きの人たちへの感謝の気持ちであるとか、仕事観や経営論、人生訓など、みのもんたの生きざまの強烈な魅力にあふれた自叙伝ともいえ、その容貌同様、暑苦しいまでの熱量を持って、才能を遺憾なく発揮し、富と名声を手に入れた「立志伝中の人物」というようにも受け取れました。
ただ、義理人情を前面に押し出してくる人の中には、自分への義理を果たし、人情を尽くすように求めてくるだけの場合が時折見受けられ、「オレはエラいんだから下々のお前たちは気を使って当然だ」とか「これだけしてやったのに見返りが少な過ぎる」などと、力関係の上位から恩着せがましく押さえつけてこられたら、権力のあるうちは面従腹背するものの、没落したとたんに周囲から人がいなくなる可能性もあり、みのもんたほどの人であれば、そのあたりは充分に心得て、実った稲穂のような人柄に違いないだろう、と想像してしまいます。
みのもんたほどのセレブとは正反対の市井の人の中にも、「学歴など関係ない」とか「職業に貴賎はない」などと常々口走りながら、それならばありのまま表明するのかと思えば、その実、自らの不都合な事実には頬かむりして、高校など卒業していないのにも関わらず、さも進学校から大学に進んだような言辞を弄して嘘をついたり、行政から取り締まられる立場でありながら、まるで正当な商売を営んでいるような誤解を生じさせるまやかしでごまかしたりする人も確かにいるので、キレイゴトを並べながら、自分だけは発した言葉の適用外、というのも、したたかに世の中を渡って、成功する極意のようにも思えてきます。