


機能的になったばかりでなく、駅自体に恐竜のラッピングが施され、壁を破って恐竜が飛び出してきているようなトリックアートが描かれ、原寸大の大きな恐竜の模型が三体も設置され、時折動き出しながら、うなり声を上げていました。
日本の恐竜の化石の発掘の大半を占めている勝山には、恐竜が生きていた頃に陸でたまった地層が分布しているからであって、この約2億5200万年から約6600万年前の中生代の地層は北陸一帯にかけて分布する手取層群で、石川県や富山県、岐阜県でも発見される可能性は高く、勝山では昭和57年にワニの全身骨格が発見されたことからいち早く発掘に取り組み、平成に入るとフクイサウルスやフクイラプトルの全身骨格復元や恐竜の卵殻化石や幼体標本の発見、新たなイグアノドン類の発見など、学術的にも貴重な発掘調査の歴史を刻み、「恐竜王国フクイ」として全国的に知名度は上がってきたように思われます。
勝山と福井はけっこう離れているだろう、というのは地元の感覚であって、東京や大阪、あるいは海外から見た場合は大差がなく、実際のところ、入場者数が毎年伸びつづけている「福井県立恐竜博物館」の来客のほとんどが、金沢からきて、博物館だけを見て、再び金沢へ戻っているという調査結果もあり、福井に滞在するだけの魅力がなく、恐竜だけがひとり歩きしている感じもしないではありません。
駅前でうなり声を上げているリアルな恐竜を見上げると、観光に力を入れる本気の度合いはひしひしと伝わってきますが、恐竜をきっかけにして訪れた人たちに、どう満足してもらって、もう一度福井に足を運んでもらおうとしているのか、ストーリーが描ききれていないような気もしてきます。