


もともとは、北陸本線高岡駅に新幹線を併設する見込みで、小矢部と津幡との間に加越トンネルを通し、北陸新幹線開業後は、津幡=高岡間、魚津=糸魚川間の経営分離をJR西日本が求めていて、平成元年1月に整備新幹線本格着工の決定にともない、8月から難工事先行として加越トンネルに着工したものの、経営分離される沿線からの反対の声と、新幹線早期開業との解決を模索した結果、平成3年6月に富山県が運輸省に対し、従来のルートより南側に移すことで、在来線の富山県内の存続を図り、10月に新ルートでの予算計上が了承され、新高岡駅の新設が決まり、加越トンネルの建設費用8億8千万円は富山県が負担し、トンネルは放棄された経緯があったようです。
富山県の思惑とすれば、北陸新幹線により東京・大宮からの新たな誘客を見越し、第三セクターによる運営になるにしても、線路はつながっている北陸本線の大阪・名古屋からの特急列車が残されれば、首都圏・関西圏・中京圏との鉄道による結びつきが強まり、大幅な観光客の増加が見込めると踏んだのかもしれませんが、平成27年3月、実際に開業してみれば、「サンダーバード」や「しらさぎ」といった関西・中京からの特急は金沢で運転打ち切り、「かがやき」は富山には全列車が停車するものの、新高岡は通過されてしまい、少々目論見がはずれた形に落ち着いた感じがしないでもありません。
新高岡駅は、利用客を一人でも増やそうと、南口側に設置した広大な駐車場のうち、256台分の平面駐車場を「新幹線を利用したら30日まで無料」としているほか、立体駐車場461台は、12時間500円24時間600円の料金から、新幹線利用者には200円割引という優遇策を講じるなど、「一人一客・一人一乗車運動」を実施中で、クルマ社会の地方ならではの必死の取り組みを見せ、観光客向けに、鉄道は、城端線を開業から2年間1日4便増便試行、バスは、高岡駅まで10分間隔で加越能バスが運行し、五箇山・白川郷の飛騨方面へ「世界遺産バス」が1日5往復、能登方面へは、氷見を経由して和倉温泉までの「わくライナー」が1日4往復と、飛越能への玄関口として懸命の努力を重ねています。
新駅を設置し、広い乗場を整備して、公共交通機関で周辺の観光地へ運ぼうとするのはわるくない発想なのですが、乗降客が余りにも少ない現状では、交通機関の経営が成り立つのか微妙なところであり、せっかくの立派な駅舎には飲食店などがなく、売店があるのみというのもさびしい状況で、これではわざわざルートを曲げてまで作った新駅の意味がないばかりか、在来線と分断されただけで、かえって利便性がわるくなり、市役所でも駅前に建設するくらいでないと、人の気配すらしてこないような駅舎でした。