落語に出てくる人たちのように借金取りから逃げ回ったり、丁々発止のやり取りをしたりすることもなく、世間を驚かせたり、呆れさせたりして新聞ネタになることもなく、輝かしい功績を残すわけでもなく、大切な何かを失くすわけでもなく、警察のやっかいになったり、美女に言い寄ってこられたり、医者にみてもらったりすることもなく、平々凡々、無病息災、毒にも薬にもならず、箸にも棒にもかからず、何事もないのが一番の幸福のようでもあり、取るに足りない波風にあおられながら、何とはなしに流れるままの一年が過ぎました。
もっとも大きな変化と考えられるのは、平成8年から自営業のはしくれとして、惑いっぱなし、曲がりっぱなしで転がりつづけてきたのですが、月末近くになると、月々の生活にかろうじて足るだけの給与が振り込まれるようになり、仕事は職場で完了し、言われるまま、ほぼ何も考えることなく勤務時間をつつがなくやり過ごせば、税金や保険などを差し引かれたほぼ丸ごと好きに使える日本銀行券が手に入り、休日には完全に忘れ去ってやりたいようにやれる時間が与えられる立場となり、これがけっこうぬるま湯のように心地よく、こんなことならもっと早くにこちら側にくればよかったと、少しばかり後悔もしています。
今年は、関東の野球強豪校とともに、センバツ、選手権、国体と観戦できたこと、朋友が福井を訪れてくれて語り合えたこと、庭園、城郭、美術館などもある程度めぐれたことには充足感もあり、何よりも向かいたい方向がおぼろげながらに見えてきた感じもして、来年以降もゆっくりと歩んでいくことになりそうです。
しみじみ呑めばしみじみと、がつがつ食えばがつがつと、つくづく思えばつくづくと、うだうだ語ればうだうだと、とつとつしゃべればとつとつと、わくわくすればわくわくと、ぎりぎり生きればぎりぎりと、だらだら行けばだらだらと、舟唄でも口ずさみながら、こつこつ働いて、よろよろと観光し、じわじわと老いさらばえ、にこにこして、ぼちぼちとやっていこうと思っています。
来年もまた、甲子園で関東の強豪校関係者のみなさんと応援できますように、仙台か東京で楽天ファンの友人たちと観戦できますように、元気に庭・城・美術館・博物館・劇場を見て歩けますように、そして多少なりとも縁のある方々の健康とご多幸を祈り、縁もゆかりもない人たちの小さな幸せを願い、除夜の鐘に煩悩を振り払ってもらい、初詣では賽銭以上の願い事を聞き届けてもらえるように、2014年も努力を重ね、水道代と電気代くらいは滞らせないよう奮闘する所存です。