


越前松平家の歴代福井藩主が作らせた伝来品を中心に全部で21体、初代結城秀康から藩主17代のうちの14人のよろい、かぶとが展示され、歴史を伝える武士の防具としての興味もありましたが、美術工芸品としての見事さと、伝統技術の素晴らしさを堪能できました。
2代忠直が大坂夏の陣で真田幸村を討ち取って、武勲を挙げた時に着用していた「緋縅鉄五枚具足」や、初代越前府中領主本多富正の被弾して表面にはげのある「紺糸威桶側鋲打鉄五枚銅具足」など、実戦で用いられた甲冑は、勇壮で重厚な作りでした。
7代吉品が作らせた「魚燐具足」は、うろこ状の鉄板を鋲でつなぎ合わせた全国でも希少な構造で、甲冑師明珍吉久が8代吉邦の時代までかけ、同じ形の鉄板を重ねた卓越した職人技の光る逸品だそうです。
常設展示では、縄文・弥生・古墳時代から現代にかけての福井の出土品や資料を中心に並べられ、やはり中心は幕末、維新で活躍した松平春嶽とその時代を駆け抜けた優秀な藩士たちで、藩主の漢文、英語、書のたしなみなど幅広い教養と知性、アメリカから技術を取り入れようとした進取の気象、見聞きしたことを克明に書きとめた文書には几帳面で真面目な人柄がしのばれ、高い見識で人望も厚かった「福井の殿様」の偉大さを知るとともに、親しみもわいてきました。