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一葉の写真を見て、感動することはままありますが、雷に打たれたような衝撃を受ける体験は、弥勒菩薩の横顔を見た時が最初で、何だこれは、仏像なのに血が通っていて、見るほどに訴えかけてきて、いのちの鼓動を感じるのは何なんだ、と釘づけになってしまいました。
その後、筑豊や下町の子供たちを写した作品を見ましたが、何気ない日常であっても物語が展開していて、泣き、笑い、不安、希望、喜び、悲しみ、人生で遭遇するすべての感情が寄せては返す波のように、時に激しく、時に緩やかに押し寄せてきて、万感胸に迫り、決して恵まれた境遇ではなさそうなのに全身で受け容れて、流されるまま、あるいは立ち向かいながら生き抜いている生命力も感じられて、現実を直視して深く理解した上での卓越した観察力、確かな技術とまなざしのあたたかさ、巨大な才能により切り取られた写真の持つ劇的な表現力に圧倒されました。
その写真家の名は土門拳、明治42年(1907)山形県酒田市生まれ、大正、昭和を生き抜き、名作を生み、平成2年(1990)に亡くなりました。
金津創作の森で、アートドキュメント2013土門拳の子供たち――土田ヒロミ構成――展が開かれ、\鐐阿海匹皚∪鏝紊里海匹皚9湘譴里海匹皚づ豕?里海匹發燭銑ッ亙?里海匹發燭銑Ε劵蹈轡洵保護されたこどもたち保護されたこどもたち、と「子供たち」をテーマとして構成されていて、会場の都合上でしょうが、いささかダイジェスト版の趣はあるものの、148点の写真はいずれも傑作揃い、見ごたえがありました。
時代は時に過酷な運命をもたらすこともありますが、ひたすら生き抜く姿は、哀しいばかりでなくどこか微笑ましくもあり、物質的にはとても貧しくとも、救いがあるのは、親子、兄弟、友人、隣近所の人々の情愛であって、日々の中に楽しみがあり、喜びがあり、明日はきっとよくなるだろうという灯がともるのかもしれません。