


豊かな緑に囲まれ、広大な水面の向こうに金色に輝く舎利殿を目の当たりにすると、その美しさにただただ感嘆し、言葉を失い、いかにもな権勢に思いをはせるとともに、神々しささえ感じはじめ、ひれ伏すほかないような心地よい無力感に包まれます。
建物が金色という単刀直入な絢爛さと、見た目に有無を言わさない力強さに、存在を示すにはこういうやり方が一番わかりやすいことを教えてくれるようでもあります。
畠山石、赤松石、細川石など、当時の諸大名が競って名石を献納したくなるのも大いに頷ける話で、できることなら、何かしらの物品を納めて、金閣の中に入らせてもらいたいという欲望がふつふつとわき起こってきます。
足利三代将軍義満にとっての極楽浄土は、黄金に輝く理想郷なのかもしれませんが、現世において実現したというのは卓越したビジョンとデザインの力でもあり、絶大な権力を背景に、教養、知性も優れ、最先端、最高級の文化を築き上げたのは偉大としか言いようがありません。