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どこの町にもありそうな住宅地でも、学生時代に親元を離れて住んでいたとあれば、思い入れも格別で、ましてや数十年ぶりに訪れるとなれば、懐かしさも募り、忘れかけていた思い出もよみがえってくるものだろう。
団塊の世代の熾烈な競争の中、十で神童とうたわれ、末は博士か大臣かという周囲の期待に沿いつづけ、関西一とも呼べる高校から、順調に国立大学の経済学部を卒業し、仙台にさらなる学問の道を究めようとやってきて、長く暮らすことになった思い出の地を、久しぶりに見てみたくなるのも人情かもしれない。
仙台駅からバスに乗って20分ほど、長い坂道をかなり上ってきて、停留所で降りると、道の両側に中華料理店や商店などがひっそりと並び、アパートの方に歩き出すと、見晴らしがよくなって、立ち並ぶ屋根の連なりが遠くまで見通せた。
その名の通り、山というのがふさわしい坂道で、住宅の敷地は斜面を削って造成したらしく、段々になっていて、木造の個人住宅に混じって、アパートもかなり見受けられた。
歩きながら、かっぱらったバイクで行き先もわからぬまま突っ走ったんだよ、とか、チンピラにからまれて5、6人ぶっ飛ばしてやったよ、などと返答に窮するような話をする人ではなく、「この坂道を灯油をぶら下げてよく上ったものだよ」とか、「友人が遊びに来たとき息を切らせていたよ」などと心温まるエピソードを聞き、「町並、変わりましたか?」と訊ねると、「そんなに変わっていないけど、疲れるね、若い時は全然感じなかったよ」と答えて振り返った先には、青春の日々の足跡と、過ぎ去った年月のあれこれが、映画の名場面のようにコマ送りで映し出されていたに違いない。