夜の12時から朝の7時まで営業する深夜食堂には、ちょっとワケありな客がやってくる。
他人のことを根掘り葉掘り訊くなんてことは野暮、ありきたりだがうまいメシをかき込めば、ささくれた心もほっこりするというものだ。
人は、同じ石に何度も蹴つまづいたり、わるいと思いつつもやめられないことがあったりと、望みどおりに生きられない理不尽さも持ち合わせている。
人は、人のぬくもりによってしか癒されないが、腹いっぱいうまいものを食うという喜びに勝るものはない。
うまい酒を飲み、うまいものを食い、健康なんてクソくらえだ、と開き直る幸せも確かにある。