アルバイトをお願いしていた人が現れないので、電話をかけたところ、「昨日から不動産株が急伸して10万以上儲かったから、行かない」ということだった。
地方の国立大学を卒業後、一度も就職することなく、たまにアルバイトしたり、相場で儲けたりして過ごす、幸福な人生を50年と少し歩んでいらっしゃる方なので、一日働いて1万や1万5千円くらいで動く気にもならないのは理解できないこともない。
彼が言うには、父親が建設省に勤めていた時、「西彼杵半島の道路などを開発した折、一生遊んで暮らせるくらいの財産を築いた」そうで、援助を受けて株の原資にしているようでもある。
彼の自慢は、退官後近畿地方でワタリ歩いていた立派な父親と、東京で一部上場企業に勤めている優秀な弟で、いつも聞かされるのは「父親も弟も資産は1億以上ある」とか「弟が川口市に新築の家を買った」とか「父親が外貨預金を3万ドル購入したら少し下がった」とかいうおカネにまつわる話ばかりで、私としては返事のしようもなく、げんなりして「ああそうですか」と答えるのみだ。
私も、いい加減ほかの人に仕事を頼めばよさそうなものだが、ちゃんとした人はちゃんとした会社に勤めているわけで、平日の真っ昼間にきてくれるはずもなく、週末、相場の立たない時に、アウディに乗って颯爽とやってきてくださるようお願いしてしまった。