むかし銭湯で、男湯女湯の仕切りの上から石鹸などを手渡したり、「あがるぞー」などと声をかけている人たちがいた。
家に風呂などないのが普通で、老いも若きも着替えなどを持って銭湯に行っていた。
同棲している若い男女が、夜、肩寄せあって銭湯に行く、というのはロマンチックで、とてもうらやましい感じがしたものだ。
実際の暮らしは大変だったかもしれないが、そのあやうくも甘くかぐわしい生活にあこがれた私の身の上にはついぞ実現しなかった。
オバケやゆうれいではなく、♪あなたのやさしさがこわかった♪というのはけた違いに秀逸だ。