平成18年3月23日、そろそろ日も暮れようかという時だった。
ショッピングセンターで買い物をして、帰ろうと駐車場を歩いていると、名前を呼ばれた。
振り返ると、以前ある経済団体で、ともに活動したことのある、私より一つ年下の人だった。
「久しぶりー、元気そうだねー」
私は一瞬迷ったが、買い物袋を提げたまま、近づいて行こうとした。
「あー今、急いでいるんで、また今度、ゆっくり話でもしましょう」
その人は後ずさりしながら、少しだけ腰をかがめ、両手を腰の辺りで「こっちへくるな」という風に振っていた。
私は言葉もつげず、その人がショッピングセンターに向かうのを見送った。
ATMコーナーの隅にある宝くじ売場をのぞいているのが見えた。
私は、なぜだかむっとした。
話しかけたのに逃げるように去って行ったからか?
100パーセント実現することのないことを言われたからか?
その仕草から私に好感を持っていないことが伝わったからか?
急いでいると言いながら宝くじ売場に並んでいたからか?
もちろん悪意がないことくらいはわかっている。
電話やメール、年賀状のやり取りすらない顔見知りに、私ならそういう言い方はしないだろう。
その場を丸くおさめるための方便なのだろうが、私の中に「よく心にもないことが口に出せるもんだ」というこだわりがあるのも確かなのだ。
単に私の器が小さいために不愉快になっただけなのだが、さらっと受け流せなかったのは事実。
言った方は何も覚えていないだろうし、私と出くわしたことも忘れ去っているかもしれない。
きっと私もすぐに忘れるだろうし、その人のことも思い出すこともないだろう。
東アジアの夕暮れの、些細な出来事。
・・そうして一切は過ぎ去って行くのでしょうねえ。
ショッピングセンターで買い物をして、帰ろうと駐車場を歩いていると、名前を呼ばれた。
振り返ると、以前ある経済団体で、ともに活動したことのある、私より一つ年下の人だった。
「久しぶりー、元気そうだねー」
私は一瞬迷ったが、買い物袋を提げたまま、近づいて行こうとした。
「あー今、急いでいるんで、また今度、ゆっくり話でもしましょう」
その人は後ずさりしながら、少しだけ腰をかがめ、両手を腰の辺りで「こっちへくるな」という風に振っていた。
私は言葉もつげず、その人がショッピングセンターに向かうのを見送った。
ATMコーナーの隅にある宝くじ売場をのぞいているのが見えた。
私は、なぜだかむっとした。
話しかけたのに逃げるように去って行ったからか?
100パーセント実現することのないことを言われたからか?
その仕草から私に好感を持っていないことが伝わったからか?
急いでいると言いながら宝くじ売場に並んでいたからか?
もちろん悪意がないことくらいはわかっている。
電話やメール、年賀状のやり取りすらない顔見知りに、私ならそういう言い方はしないだろう。
その場を丸くおさめるための方便なのだろうが、私の中に「よく心にもないことが口に出せるもんだ」というこだわりがあるのも確かなのだ。
単に私の器が小さいために不愉快になっただけなのだが、さらっと受け流せなかったのは事実。
言った方は何も覚えていないだろうし、私と出くわしたことも忘れ去っているかもしれない。
きっと私もすぐに忘れるだろうし、その人のことも思い出すこともないだろう。
東アジアの夕暮れの、些細な出来事。
・・そうして一切は過ぎ去って行くのでしょうねえ。