エルサレム的雪合戦論 | k2project

エルサレム的雪合戦論

エルサレムに着いた次の日、聖地エルサレムに3日間雪が降り続いた。この地に雪が降ったのは5年ぶりだという。

 エルサレムの旧市街は塀で取り囲まれている。その入り口で最も大きいダマスカス門という所には、常にイスラエル兵が駐在している。雪の日、イスラエル兵は雪の門をバックに記念写真を撮っていた。その無邪気さに僕は、思わず笑ってしまった。ある人が言うにイスラエル兵は、いつもカメラを持っていて記念写真を撮るのらしい。そして死体をバックにも撮るのやら。記念ということで・・・。ほんと、兵と言っても高校を卒業したばかりのガキのやる行動なのだ。 そんなガキ達に、制圧されるパレスチナの人々が気の毒になってくる。

 雪の間、僕はあまり外を歩きたくなかった。それは、どこからともなく雪の固まりが飛んでくる為だった。パレスチナ人の居住区を歩いていると、間違いなく「ヤパーニ」(日本人)と言ってパレスチナの子供たちが雪を投げてくるのだ。それもメッチャ固くした雪を頭に狙って。これが見事に頭に命中する。きっとイスラエルに対する投石運動で人の頭に命中させる事に慣れているのだろう。7メートル歩くごとに違う軍団が投げてくる。建物の上からも狙ってくるので、どこから飛んでくるかわからない。次第に僕は、パレスチナ人にムカツキはじめていた。

 そしてユダヤ人居住区に向かう。パレスチナ人居住区・ユダヤ人居住区と言っても、区切り線があるわけでもないし、壁があるわけでもない。ただ路地をそれたら居住区が変わり、街の雰囲気が変わるのだ。パレスチナ人居住区は、人が多く活気づいているのに比べユダヤ人居住区は人が少なく、落ち着いた印象を受ける。そして当たり前だが人々も変わる。

 雪の中のユダヤ人居住区は歩きやすかった。路地で子供たちに会うと、「ちょっとまって」と言われた。ここでもまたイタズラの標的にされるのかと思っていると、「上から雪を降ろしているから雪がかかってしまうよ」 と教えてくれたのだ。何という違いなのだろうか、パレスチナの子供たち(そういえば大人もいた・・・)は、容赦なく雪をぶつけるのに ユダヤ人の子供たちは、雪がかからないよう易しさを見せてくれた。うーんこの違いはなんなんだろうか。

 きっと僕は、エルサレムだけしか見ていなかったらパレスチナ人を嫌いになっていただろう。しかし物事を一局だけで判断してしまったら誤解が生じる。もっと多くの物を見て、イスラエルとパレスチナの関係を見ようと思うのだった。