27年振りの来日って書くと、分かる人に分かるのだが。要するにThe Stranglersなのだよ。正直言って、私が中学〜高校の頃、日本の音楽雑誌にはパンクやニューウエーブのバンドの記事や写真がバンバン出てた訳で、それまでKissのファンだった私はパンクのグラビアにその時やられてしまったのだよ。それで買った最初のシングルがSex Pistolsの”God Save The Queen”であり、最初に買ったアルバムはThe Stranglersの”Black and White”だったのだよ。ヤられたね。痺れたね。特にThe Stranglersはのめり込んだよ。というのも自分がキーボーディストだったこともあり、キーボードの入っているThe Stranglersは買った途端に大ファンになったね。それで、改めて彼らの音楽を考えているみようと思う。1st LPではソフイストケートされたパンくんだとかドアーズとの共通点があるとか言われていたが、ドアーズをその頃聴いていなかった私にとっては、そんな類似点はどうでもよかったのだよ(勿論、後でドアーズは後追いで聴いてファンになったけどね。)。んで、The Stranglersの音楽なんだが、確かにキーボードのDave Greenfieldの弾き方は変であった。ローデスのエレピにワウ掛けて、ひょろひょろとした音で、音程を上ったり下がったりする奏法は特異なものであった。余りコードを弾かないタイプだな。所謂早弾きだけではない独特の奏法であった。そして、JJのベース。ゴリゴリの太い音で、曲のイメージを体現するかのように自己主張が強くて、アクも強い音だった。まるでベースの音で曲が出来ているような印象だった。それに対して、Hughのギターはカッティングが中心で、控えめだった(まあ、たまに決める時は決めるのだが)。また、弾いているギターがテレキャスというのもその奏法に合っていた。それにJet Blackのドラムも控え目だっだ。だから、ドラムの印象は余り強くない。また、Hughのヴォーカルも字余りの歌詞を無理やりねじ込んでいる感じがしていたが、その違和感が堪らなく魅力的であった。要するに今までのキーボード入りのバンドの音の構成要素が、根底からひっくり返っているのだ。ドラムやギターは控え目、ベースは出ずっぱり、キーボードは上へ下へと上下運動を繰り返す。
   3rdから聴き始めた私は2ndも1stも買った。毎日、聴き狂ったね。んで、4th”Raven”も買ったのだが、ヴォーカルの肩の力の抜けた感じや直線的になったシンセの音にそれほど魅力を感じなかったというのが正直なところだった。その前に出たライブ盤”X-Cert”は痺れたけどね。でも、5thの”Meninblack”はその時には買わなかった。寧ろ、JJのソロ”Euroman Cometh”やHughのソロ”Nosferatu”は良かったけど(Hughのソロは完全なソロではなくてMothers of InventionのドラマーのRobert Williamsとの共作だったけど、DevoのMark Mathersbouも参加している)。
  それとThe Stranglersのメンバーの出自が、また、パンクではなかったのだよ。Hughは北欧(Swedenだつたかな?)で生物学の修士を取っていたし、ドラムのJet Blackは事業で当ててお金があったにも関わらず、バンドやりたい夢を捨てきれなかったし、Daveもちゃんとした音楽教育受けてるのに、敢えてパンク(って言っていいのかな?)パンドに参加するし、三島由紀夫と空手と文学に心酔してたJJ然り。あと、4人が4人ともファッションもバラバラ。JJは革ジャン、Hughはトレンチコート、Daveはパラシュートスーツに髭、Jetはおっさん服。また、最初の頃はスーパーマーケットで、彼らの曲が「差別的だ!」と言われ、ボイコットされるしね(Walking on the beach, looking at the peaches)。初のアメリカツアーでは楽器が盗難に遭って、借りた機材で演奏した為、音が彼等のコピーバンドよりショボかったらしい。あと、有名な話は、初来日の時、客が椅子に座って聴いてるのに腹を立てて(その頃はオールスタンディングはなかった)、”No More Heroes”を3回続けて演奏するし。そんなバンドいなかったよ。それに、何かイラッとさせる発言も多かったね、特にJJ。「ドイツの雑誌は嘘を書くからインタビューには応じない」って言ってみたり、、、問題児でしたね。
  そんな彼らが27年振りに来日する‼️これは観に行くか‼️Hughが抜けた後釜のBazは割とHughに近い声質、歌い方、ギターの弾き方ををしてるから、そんなに違和感がないのでは?  今のところの最新作の”Suite XVI”は良かったけどね。最近は大ホールで、懐メロ大会になってるみたいだけど、新作からの曲も演るのかな?個人的には”School Mam”は演って欲しい。まあ、高いし、遠いので、行けないかも?と思いながら、つらつら書いてます。あと、最後に、ヴォーカリストとしてのHughはその声質からして大好きなタイプですね。