私はK2名義でノイズ・ミュージックをやっている訳なのだが、通常、300-500枚くらいがCDなりvinyl(いつの頃からヴァイナルなどと呼ぶようになつたのか?レコードじゃないのか?)の発売数のことが多い。これでも売り切るのには相当時間がかかる----大体、考えてみて欲しい。ノイズ・ミュージックと言うニッチなジャンルで、ファンもある程度固定している状況ではこれくらいが関の山と言うところだろう-----訳であるが、最近では、音はデジタル配信で、モノはヴァイナルとかカセットでと言うパターンが増えてきた。あるいは、デジタル配信のみでおまけに程度にブツが付くというパターンとか。私は以前はデジタル配信には否定的だった。なんか音楽を安易に配給しすぎているのでは?と感じたからだ。私のようにライブは少なく、録音モノが多いという宅録アーティストにとっては、デジタル配信は、寧ろ歓迎すべきシステムかもしれない。いつでもアクセスすれば聴くことができる訳だし、気に入ればダウンロードもできるし、しかも安い。これはアウトプット側としては、CDを売り切らなきゃというストレスからの解放である。まあ、そんな訳で以前より「自主制作の基本は営業」と言ってきた私も、「営業ができないなら、デジタル配信で!」と言い換えようと思う。
  話しが少し逸れたが、今日、書きたかったことは、そんな発行部数の状況の中で—-勿論、デジタル配信も関係あるのだか——-、超限定品が以前よりも出てきたと言うことである。昔からハンドメイド包装はあった訳で、それでも多くは100枚とか50枚だったのだが、今回、びっくりしたのは、21部の超限定品として、ゼロ年代の音源が作品化されたことである。その前にもLathe cutで50部というのもあったが、流石に二桁というのは初めてである。当然の如く、ハンドメイド包装てした:ラバーコーティングされたジャケとCDRに、クリアLathe cutと言う仕様。確かに作るの大変だわなとは思ったが、世界でこれを持っていることができるのは21人だと言う事実。当然、お値段も高めになりますが。デジタル配信を先にしておいたので、音自体は聴くことはできるのだが、ブツは世界で21人だけと言う超マニア向けの状態です。これが良いか悪いかは賛否両論だとは思うが、個人的には、300枚通常盤を作って、スペシャル・エディションとして25部か50部を作った方がベターでなと思う訳です。それでも買ってくれるリスナーはいるので、有り難いですが。
  結論としては、余り発行部数を絞らず、ブツを出して頂きたいのと、もしだめなら、デジタル配信にしてごく少数CDRとかカセットでと言うのが理想ですね。そんなことを考えさせられたリリースでした(因みにタイトルは”Spiral Short Circuit”です)。