白華
現場に納品させて頂いた国産杉の羽目板ですが・・・
白い粉の様なものが吹いております。
「白華現象」というものを起こしているところです。
この羽目板は準不燃木材。
杉の羽目板に燃えにくくする薬剤を含浸させた物です。
建築基準法では火災の拡大防止、避難時の安全確保を考慮し、防火材料の使用が定められています。
防火材料は燃焼抑止時間などによって、不燃材料、準不燃材料、難燃材料の区分が設けられていて、建物規模や用途によってその使用範囲が定められています。
そんな規制に対応してホウ酸やリン酸などの薬剤を含浸させて燃え難く加工した木材製品があります。
画像の羽目板は準不燃材料の性能をもった「準不燃木材」です。
不燃処理した木材製品を作っているメーカーさんは複数ありますが、
この不燃処理した木材に起こる現象に「白華現象」があります。
ちょっとピンボケした画像で申し訳ありませんが、
材の表面に水滴がついているのが分かるでしょうか。
これは木材の中から出てきたものです。
空気中の水分をこの不燃処理した木材が吸収すると、
内部の薬剤を溶かして再度表面に噴き出してくるそうです。
そして乾燥すると溶け出した薬剤が再結晶化して粉をふいたような状態になるのです。
ちなみに絞った布でふき取ればと綺麗に取れるのですが…
ちなみにこちらの建物は東京の浅草近くに立っている建物。
昨年撮影した画像ですが、
外部に大胆に木材を使用しております。
そして内部にもたくさんの木材が使用されていました。
近くに寄って見てみると、
ちょっと分かりにくいですがやはり白華現象を起こしているようでした。
内部も外部も当然不燃処理された木材が使用されているようですね。
ちなみに伝法院通りなどで新しく外装工事された建物にムク材が使用されている建物をいくつか見かけましたが、
おそらくほとんどが不燃処理加工された木材を使用したものではないのでしょうか。
木材、国産材の利用場所と温もりある空間を広めてくれる木材の不燃技術ですが、
販売する者にとってはなかなか厄介な製品でもあります・・・
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ニコモコショップ・銘木館のS店長が、