こんにちは！　こうの史代です。

一昨日はわたしの誕生日でした。

そして、その10日前は夫の誕生日でした。

わたしは夫にコップを贈りました。

夫のコップは、表向きはひびも欠けもなかったのですが、取っ手を持つと時おりミシッ…とかすかな音を立てることがあって、たぶん近いうちに割れるだろうな、と思っていたからです。

夫の古いコップは、金魚の柄でした。

確か、８年くらい前だったか、花巻の「マルカン百貨店」で買ったものでした。

旅は始まったばかり。この後わたし達は遠野に向かうところでした。

数百円のどこにでも売っているようなコップで、割れ物をわざわざここで買わんでも…とちょっと思いましたが、まあ持ち歩くのは夫だし、わたしも宮澤賢治の生家の近くでそわそわしていたものだから、突っ込みも甘くなってしまいました。

でも今になってみると、高価なものではなくても、決してどこにでもあるわけではなかったし、「マルカン百貨店」で買ったという記念になったし、買ってよかったな、と思ったのでした。

夏になったら花でも挿そうと思って、食器棚にしまいました。

そして、流し台の上の棚に、新しいコップをわたしのコップの隣に置きました。

……。

不思議なものです。

新品と並べると、こんどはわたしの使っていたコップが、ずいぶん古びているような気がしてきました。

そこで！

一大決心して、わたしのコップも新しくすることにしました！

何を大げさな…とお思いのあなた。

この、わたしのコップ。

19歳か20歳の頃に、呉のれんが通りの陶器やさんで買ったものなのです。

確か380円で、まだ消費税が導入される前でした。

自分で食器を選んだことが、まだほとんどなかった年頃でした。

買ってすぐ使い始めて、嬉しい時も悲しい時もどの漫画を描いていた時にも手許に置いていたので、35年ぐらい愛用していることになるのです。

ここまで一緒だと「これが居なくなっても果たしてこれまで通りの日常は続けられるのか…？」とまで思えてしまうくらいになるのですな。

代わりに、食器棚に飾っていたこちらを使うことにしました。

「水木しげる米寿記念　ゲゲゲ展」の頒布品です！

裏面はこの通り！

いただき物ですが、嬉しくて、引っ越す前も後も、使わないまま、ずっと高い所に飾って眺めていました。

さっき調べると、2010年の展覧会なので、こちらも決して新しいものではないんですね…。

そして。

古いコップは食器棚の奥に…。となるともうガラクタにしか見えない予感がしたので、こうなりました！

ちょうど色鉛筆の箱がぼろぼろになって、別の入れ物が必要だな、と思っていたところでした。

この色鉛筆は、このコップを買った翌年くらいにいただいたものでした。

最近はこのブログに絵を載せるので使う機会も少しずつ増えて、そういえばこれは、箱に入っているせいで出すのがなんとなく億劫で、30年以上持っていても長いままなんだろうな、と思っていたところでした。

これでまた、このコップともずっと一緒です。

これからは、色鉛筆もどんどん使ってみようと思います。

新調したコップのことを書くつもりが、古いものの話ばかりになってしまいました。

ええ。わたし自身も含めてね…。

ではまたね！

新旧のマグカップ