こんにちは！　こうの史代です。

前回、東京で首相官邸に行ったことを書きました。

その直前の、8月31日13時頃。

時間があったので、ここに行きました。

日枝ひえ神社です！

神社は独特の緊張感があって、実をいうと、元々わたしはほんのちょっと苦手だったのでした。

でも、古事記を描くことになって以来、なるべくお参りするようにし始めました。

ここに以前訪れたのもその頃なので、たぶん10年ほど前になります。

通りすがりになんとなく寄ったのでした。

その時は、たまたま参拝者もおらず全くの無人でした。

これまでに感じたことがないくらいの清浄な気（？）がぴーんと張り詰めていて、本当に、ただならぬ雰囲気でした。

その後も、あの異世界感は何だったんだ…、と時々思い出していたのでした。

幸い、国会議事堂駅からは歩いて数分です。

…ん？

なんか思い出と違うな！？

確かに神々しさに満ちていますが、こんなに和やかではなかったような…？

そもそも石段が、こんなに広くてまっすぐではなかったぞ。

勘違いして、どこかと間違えているのかな？

と境内を歩き回っていると、反対側にも石段があるようです。

たぶん、前回はそちらの石段から上がったせいなのでしょう。

でも入口が違うだけで、こんなに雰囲気が違って見えるものかなあ？

今回は時間がなくて反対側の石段まで周れなかったので、次回またゆっくり来ようと思いました。

で。

その前。

8月31日の朝は、ここから出発したのです。

延暦寺会館えんりゃくじかいかんです！

というわけで、前日から、比叡山延暦寺ひえいざんえんりゃくじに行っていたのです。

これは、今構想を練っている作品の取材の予定だったのですが、それまでの下準備が思うように進んでいなくて、ただのゼイタク参拝旅行になってしまいました…。

着いたのは、もう14時近くでした。

昔の彩色写真のような、霧雨の東堂とうどう地域。

横川よかわ地域に来た頃には、雨も上がって、時々日が差すくらいになっていました。

短い写経をさせていただきました。

そして夕方。

宿に着いて、早い夕食を終えて、

窓の外を見ると、周りの森から、また霧が立ちのぼってくるのが見えました。

今回は1人旅でした。

夜中に目を覚まして、朝まで構想を練りました。

思えば、中学時代の修学旅行で泊まった宿で、中学時代から続けている漫画を描いているわけです。

思いがけず贅沢旅行になってしまって、夫への良心の呵責でひやひやしておりましたが、

なに、夫にも贅沢1人旅をさせてあげればいいのだ。

この体験は、わたしの一生の宝にしよう、と思いました。

ひえい山と、ひえ神社にお参りして、この8月はひえひえで締めくくりました。

ではまたね。

ひえひえの夏の終わり