西野ジャパン、わずか数十秒で分かれた明暗 | 先祖を尋ねて

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姓氏のご紹介はほぼ終わったので、日常雑事、架空の物語、政治経済など気儘に書き込む。
参考資料、文献などは要所に集約して示す。

西野ジャパン、わずか数十秒で分かれた明暗
テーマ:スポーツ

サッカージャーナリスト 大住良之氏の記事引用
 日経新聞デジタル版:2018年7月4日 6:30

 
 今、色々な意見を聞かされるが、日本チームは実力通りの
成果を残してくれた。しかし4年後の日本チームは今より
厳しくなると光源氏は思う。理由は2つある。

1つ目:カウンターアタックに南米、欧州チームに大差を
  付けられている。
2つ目:小学生、中学生の数が減少し、サッカー人口も大きく
  減って行くからだ。スポーツだけでなく全ての分野で、
 日本は厳しくなる。悲観的で済みません。
 
今回はとても長い為、便宜上、その1、その2に分割する。
今日と明日に分けて御読み下さい。

    
以下、「大住良之氏の記事」引用、写真多数は割愛した。

その1


試合後の長い記者会見が終わり、サッカー日本代表の西野朗監督
が席を立つと、報道陣から拍手が起こった。

負けたが、私たち日本人が誇るに足るすばらしい試合だった。
だが西野監督はその拍手に振り向こうともしなかった。厳しい表
情を崩さないまま、いや、逆にしかめっ面をして、記者会見場を
後にした。その姿には、勝てなかった悔しさがにじみ出ていた。
立ち上がりは素晴らしかったが、15分ごろからベルギーに攻め込
まれていつ失点してもおかしくない時間が続いた。だが30分を過
ぎるとまたしっかりパスがつながるようになった。

そして前半は0―0で終了した。
後半、日本の11人はベルギーより1分ほども早くピッチに出てきた。

その姿には、強い闘志が感じられた。

そしてその闘志が、そのまま得点につながった。
48分、柴崎岳のスルーパスで抜け出した原口元気が右の角度のな
いところから左隅に決める。その4分後には、香川真司から短く受けた

乾貴士がペナルティーエリアの外から見事な2点目をたたき込んだ。

日本、ラストプレーで屈した
1点目が入ったとき、私は「2点目が勝負」と考えていた。どんな
に日本の守備陣が奮闘しても、ベルギーはその高さを利用して最
後に1点は取るだろう。勝ちきるには2点が必要だ……。
 
だが2―0とリードした時点で追加タイムまで残り約40分というの
は、あまりに長いようにも思えた。
2本のCKから2失点。ベルギーはあっという間に追いついた。しか
しその後はベルギーに疲労の色が濃く、逆に日本ペースといって
よかった。追加タイム3分を過ぎてからの本田圭佑のFKが決勝点
になってもおかしくはなかった。だが実際に起こったのは、予想

外の事態だった。そのFKでつかんだ左CKのチャンスがベルギーの
カウンターを引き出し、まさにラストプレーで日本は屈したのだ。

別の意見に本田を出すタイミングがワンテンポ遅かったと
 云うのがある。ベルギーが出してからでは効果半減と。(光源氏)


日本の今大会最高のプレーはセネガル戦の後半だった。だがベル
ギー戦では、試合を通じて攻守両面でそれを上回るプレーができた。
勇敢に前線からボールを奪いにいった。日本がベルギーの3バック
に対して非常にクレバーで効果的な守備をしたことで、ベルギー
は最大のストロングポイントである「速い攻撃」ができなかった
。E・アザール、ルカクといったアタッカー陣に対し、守備陣も奮
闘した。集団で囲んで後ろを向かせ、シュートを打たれるときに
は、

必ずといっていいほど吉田麻也や昌子源、あるいは長友佑都が

ブロックした。そして果敢に攻めた。

バヒド・ハリルホジッチ前監督は「縦に速いサッカー」を志向した。

ボール保持は逆にマイナスであるとさえほのめかした。昨年8月、

最終予選のオーストラリア戦で実現した彼の理想に近いサッカー

を見て、そのサッカーで世界に再挑戦したいと、私も感じた。
 
だが、西野監督が進めたのは「日本のよさを生かしたサッカー」
だった。ボールをしっかり保持し、速く攻められないときにはDF
ラインまで使って逆サイドへと展開し、そこから何とか崩そうとした。

ハリルホジッチ前監督の持論通り、そうしたサッカーで攻め崩し、

得点することは至難の業で、このワールドカップでもそんな攻撃

で点を取れるのはブラジル以外にない。

その2:


鍵は攻撃ゾーンでスピード向上
しかしベルギーと戦う日本を見て、現在の日本のフィジカル
(個々のスピードとパワー)では、ハリルホジッチ氏のサッカーでこ
のレベルのチームに対抗するのは非常に難しかったかもしれない
と感じた。西野監督が目指したサッカーはやや「古いスタイル」
にみえたが、チャンスをつかんだときの「アタッキングサード」

(攻撃ゾーン)でのスピードアップさえできれば、日本選手が持って
いる技術やスピードで十分相手を崩し、得点できることがわかった。

今後の日本サッカーの大きな指針になるのではないか。

前半0―0から後半2点を連取した。しかしそれを守ることはできず
2―3で敗れた。選手たちは持てるものを出し尽くし、最高のパフ
ォーマンスを見せただけに、悔しさは尽きない。

CKやFKからの失点をなくすためにどうするかも考えなければならないが、

私が現時点でも防げたはずと思うのは、決勝点となった3点目だ。

本田は後半、FKで直接ゴールを狙ったが…
本田は本気で決勝点を狙いにいった。CKは結果としてGKに取られ
たが、本田を責めるのは間違っている。だが、GKが取りそうにな
ったとき、もう一瞬早く切り替えている選手がいれば、ベルギー
にあのようなカウンターを許すことはなかっただろう。
集中しきっていた日本チームの守備のタスクが、一瞬緩んだ瞬間
だった。そしてそこで一歩先んじたことで、ベルギーは最大の持
ち味であるカウンターアタックを最後の最後に繰り出し、準々決
勝への切符を勝ち取った。
わずか数十秒で分かれた明暗。それがサッカーの厳しさであるこ
とを、私たちは決して忘れてはいけない。

    
試合後の長い記者会見が終わり、サッカー日本代表の西野朗監督
が席を立つと、報道陣から拍手が起こった。負けたが、私たち日本人

が誇るに足るすばらしい試合だった。
だが西野監督はその拍手に振り向こうともしなかった。厳しい表情

を崩さないまま、いや、逆にしかめっ面をして、記者会見場を
後にした。その姿には、勝てなかった悔しさがにじみ出ていた。
立ち上がりは素晴らしかったが、15分ごろからベルギーに攻め込
まれていつ失点してもおかしくない時間が続いた。だが30分を過
ぎるとまたしっかりパスがつながるようになった。

そして前半は0―0で終了した。
後半、日本の11人はベルギーより1分ほども早くピッチに出てきた。

その姿には、強い闘志が感じられた。そしてその闘志が、

そのまま得点につながった。
48分、柴崎岳のスルーパスで抜け出した原口元気が右の角度のな

いところから左隅に決める。

その4分後には、香川真司から短く受けた乾貴士がペナルティーエリア

の外から見事な2点目をたたき込んだ。

日本、ラストプレーで屈した
1点目が入ったとき、私は「2点目が勝負」と考えていた。どんなに

日本の守備陣が奮闘しても、ベルギーはその高さを利用して最後

に1点は取るだろう。勝ちきるには2点が必要だ……。
だが2―0とリードした時点で追加タイムまで残り約40分というのは、

あまりに長いようにも思えた。
2本のCKから2失点。ベルギーはあっという間に追いついた。しかし

その後はベルギーに疲労の色が濃く、逆に日本ペースといって
よかった。追加タイム3分を過ぎてからの本田圭佑のFKが決勝点
になってもおかしくはなかった。だが実際に起こったのは、予想外の

事態だった。そのFKでつかんだ左CKのチャンスがベルギーの
カウンターを引き出し、まさにラストプレーで日本は屈したのだ

日本の今大会最高のプレーはセネガル戦の後半だった。だがベル
ギー戦では、試合を通じて攻守両面でそれを上回るプレーができ
た。
勇敢に前線からボールを奪いにいった。日本がベルギーの3バック
に対して非常にクレバーで効果的な守備をしたことで、ベルギー
は最大のストロングポイントである「速い攻撃」ができなかった。

E・アザールルカクといったアタッカー陣に対し、守備陣も奮闘した。

集団で囲んで後ろを向かせ、シュートを打たれるときには、

必ずといっていいほど吉田麻也や昌子源、あるいは長友佑都
がブロックした。そして果敢に攻めた。
バヒド・ハリルホジッチ前監督は「縦に速いサッカー」を志向した。

ボール保持は逆にマイナスであるとさえほのめかした。

昨年8月、最終予選のオーストラリア戦で実現した彼の理想に近い

サッカーを見て、そのサッカーで世界に再挑戦したいと、私も感じた。
 

だが、西野監督が進めたのは「日本のよさを生かしたサッカー」
だった。ボールをしっかり保持し、速く攻められないときにはDF
ラインまで使って逆サイドへと展開し、そこから何とか崩そうと
した。ハリルホジッチ前監督の持論通り、そうしたサッカーで攻
め崩し、得点することは至難の業で、このワールドカップでもそ
んな攻撃で点を取れるのはブラジル以外にない。

鍵は攻撃ゾーンでスピード向上
しかしベルギーと戦う日本を見て、現在の日本のフィジカル
(個々のスピードとパワー)では、ハリルホジッチ氏のサッカーで

このレベルのチームに対抗するのは非常に難しかったかもしれ

ないと感じた。

西野監督が目指したサッカーはやや「古いスタイル」にみえたが、

チャンスをつかんだときの「アタッキングサード」(攻撃ゾーン)での

スピードアップさえできれば、日本選手が持っている技術や

スピードで十分相手を崩し、得点できることがわかった。

今後の日本サッカーの大きな指針になるのではないか。
前半0―0から後半2点を連取した。しかしそれを守ることはできず、

2―3で敗れた。

選手たちは持てるものを出し尽くし、最高のパフォーマンスを見せ

ただけに、悔しさは尽きない。
CKやFKからの失点をなくすためにどうするかも考えなければなら
ないが、私が現時点でも防げたはずと思うのは、

決勝点となった3点目だ。

本田は後半、FKで直接ゴールを狙ったが…
本田は本気で決勝点を狙いにいった。CKは結果としてGKに取られ
たが、本田を責めるのは間違っている。だが、GKが取りそうにな
ったとき、もう一瞬早く切り替えている選手がいれば、ベルギー
にあのようなカウンターを許すことはなかっただろう。
集中しきっていた日本チームの守備のタスクが、一瞬緩んだ瞬間
だった。そしてそこで一歩先んじたことで、ベルギーは最大の持
ち味であるカウンターアタックを最後の最後に繰り出し、準々決勝へ

の切符を勝ち取った。
わずか数十秒で分かれた明暗。それがサッカーの厳しさであるこ
とを、私たちは決して忘れてはいけない。

以上、長い引用終り。


JAPANサッカーの5監督:

 ザッケローニ、アギーレ、ハリルホジッチ、西野朗各氏に
感謝してお名前を記述しておく。光源氏
 (続く)