卒塔婆の話-4
日常
板塔婆について
仏教で最も普通に使われている板塔婆は、角塔婆を更に簡略化したもので、
一枚の板の表裏2面が使われるが、寸法上の習慣もある。
図09.板塔婆の寸法目安
地方や宗派で多少の差があるが、書かれる梵字、漢字が読み取れること、
一定の美しさが確保できること等から、自ずと決まって来る様だ。
これは高野山のテキストに依ったが(文献⑤)、寸法単位は不明である。m(_ _ )m
付近の寺院で実物を数件測定したら、やや小ぶりであった。
幅(ソ~ヲ)=約7.3cm前後
切欠き間(ニ~チ)=約5.2cm前後
切欠き深さ(ハ~ニ)=約1cm弱 程度だった。
図10.板塔婆表面の例(文献⑤)
真言宗の例である。宗派により梵字がなく漢字の物、
為の漢字も、資、備、応、充などがある。
戒名(法名)は埋葬された本人のもの。○○回忌なども目的に応じている。
図11.板塔婆裏面の例(文献⑤)
真言宗系の例である。上部の五輪全体に亘り、梵字の
バン(金剛界大日如来)=仏教の最高神を引き延ばして書いている。
と思ったら、「仏法」を表すらしい。(>_<)バンは間違いない。
下の数文字も難しいのよ。法事の時に、坊さんにお尋ねください。
【おまけ画像】
図12.板碑の実例(文献⑤)
カリグラフとか書道の様に美しい梵字です。ヽ(゚◇゚ )ノ
今までの5文字で、2番目から左右反転して向き合せている。
図13.中国美女(文献⑥)
中国の「国際服装設計教程」表紙を借用。
この国は意外な分野にも、素晴らしい文化を持っています。
【参考・引用文献】
①.大法輪 第74巻 第七号 平成19年
②.梵習字鑒 高野山中学 昭和5年
③.梵字講座 日本梵字教育会通信講座
④.梵語悉曇和辞彙 大辻徳成著 鴻盟社 昭和47年
⑤.梵字入門 松本俊彰編 三密堂書店 昭和51年
⑥.国際服装設計教程「人体与服装」中国○?出版社2000年
ご精読に感謝して、
全て終わります。