古典物語-2(韓非子) | 先祖を尋ねて

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姓氏のご紹介はほぼ終わったので、日常雑事、架空の物語、政治経済など気儘に書き込む。
参考資料、文献などは要所に集約して示す。

古典物語-2(韓非子)        
先祖

十亀氏系図の謎4


紀元前3世紀に著者・韓非によって書かれた
「韓非子」は、全五十五篇、十余万言からなる。


図16.韓非子1韓非子1.png


ーーー論語とは正反対の政治の教科書である。
「人間の本性は悪である」との視点で記述されている。


 ご存知の>論語は「道徳の力」
で人を治める思想だが、
韓非子は「甘い方法ではなく、刑罰と恩賞の力で治める」
極めて現代的な思想。

平安時代の悪の代表「藤原一族」が知らなかった筈はない。
韓非子を参考にしたという証拠は見付らないが、間違いないと思う。
但し、現在の「藤原さん」とは殆ど関係ないですから、ご安心を。


八姦ハチカン(第九編) 

君主を操る八種の害悪について述べている。
(世の中には悪い奴が居るから、その対策を具体的に書いている。
 だから、エゲツナイ悪の教科書とされるが、大きな規律厳しい組織の
 幹部は必ず一度は読んでいると思われる)

読み易くするため、僕が1.2.3.の番号を打ちました。

八姦の方法(八術)
1.同床: 君主と同衾する妻、妾、美女、男色などに謀通する
2.在旁: 芸人、近侍など君主のそばに仕える者に阿諛迎合させ君主の判断力を失わせる
3.父兄: 親戚や信頼する大臣と謀通する
4.養殃: 浪費、遊楽などで君主を満足させ政治を鈍らせる
5.民萌: 人気取りの政策をさせて君主を満足させ判断力を失わせる
6.流行: 弁士を雇い巧みな弁舌で世間知らずの君主をだます
7.威強: 家臣がヤクザや軍人を手なずけてそれを後ろ盾に権勢を振るう
8.四方: 外国と通じて圧力をかける、またはクーデターを起こす

図17.韓非子2韓非子2.jpg


八姦の対策
1.女 に対しては、伝言や頼みごとは聞き入れない
2.側近 に対しては、発言の是非を咎め、余計な口を慎ませる
3.親族 に対しては、意見を聴きいれて思わしくなかった場合に必ず処罰し、
  迂 闊な行動がとれないようにする
4.娯楽に関するものは、どうして誰が進上したのか出所を確かめ臣下の
  一存で取り扱わないようにさせる
5.穀物 を供給するなど恩施に関しては、必ず君主の財産から出し臣下が
  私的に人民を利さないようにする
6.議論 では、是と非の両者の言い分を聞き、功罪を判断するようにして
  口裏を合わせて語らせないようにする
7.威圧 に関しては、軍人には功績に見合った褒賞を与え、
  街でヤクザがはびこらないように処罰し、臣下がこのような者を養わ
  ないようにさせる
8.周囲の国 に対しては、道理に合わない要求は聞き入れない



孤憤(第十一編)ーーー勿論、法の力も述べている。

法の力によって君主の元で正しい政治を実現しようとする者(法術の士)と、
君主に気に入られ、多くの人を従えて、私利を図り王朝を害している臣下
(当途の人)とは相容れない敵同士である。以下省略。


語るに落ちるので、程々にするが、遠い遠い雲の上の存在の
御先祖の悪を弁護するために古典をひも解いている。
どうか、御理解下さい。
m(_ _ )m