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木更津四姉妹の解説によれば…

対戦車道とは、伝統的な文化であり、紳士の嗜みとして受け継がれてきた武道である。



鋼鉄の鎧を纏った強大な戦車に生身で立ち向かうことによって、心身を鍛え、礼節を学び、精強で節度ある理想の紳士を育てる、女子の間で盛んな戦車道の対となる漢の武道である。

基本的には、女子戦車道の戦車との試合が主となる。また、競技人口は少ないが、男子戦車道との試合も存在する。

試合に使用する装備は、対戦車砲、対戦車ロケット弾、対戦車地雷、吸着爆弾、対戦車ライフル、火炎瓶等。一部を除いてどれも戦車に肉薄せねばならず、女子の戦車道と比べても、試合はかなり過酷で激しいものとなる。試合中に絶命する選手もいるように見えるが、全日本対戦車道連盟によって安全には充分に配慮されたルールが導入されているため、そんなことはない。安全である。

2013年5月12日、陸上自衛隊木更津駐屯地において、対戦車ヘリコプターを用いた対戦車道が実施れていることが判明した。機体の塗色と講義の手法の斬新さはいったんさておいて(なかなか置くことができないが)、この手法であれば肉薄の必要など全く必要ない。AH-64Dアパッチ・ロングボウというチートも存在し、展示のみなされていたが、対戦車道の講義はAH-1Sコブラを用いて実施された。

中の人によると、まず我の脅威となり得る対空火器等を70mmロケット弾ASRで制圧。2基のランチャーに19発ずつ、計38発を装填できる。装薬の量は「秘密♪」とのことであったが、一発で学校のプール1面分ぐらいの面積を制圧可能とのこと。

脅威を排除したらTOWミサイルの番である。3km先のホテルの窓を射抜ける程度の命中精度はあるとのことなので、特にリア充な戦車乗りは注意が必要であろう。これを可能にしているのは15倍の光学サイトだが、光学・有線誘導ということは、すなわち練度がより大切であることは説明されなかった。慎ましいことである。

ASRとTOWは、制約により機体のすぐ近くの目標に対しては撃つことができない。これを補うのが20mmガンである。航空自衛隊F-15J等が搭載するM61や、海上自衛隊護衛艦のCIWSファランクスに使用されているガトリング砲と基本的には同じもので、本来は6本ある砲身を3本にしている。ヘルメット・サイトに連動して、機体正面から180度以上の範囲に砲身を向けることができるが、軽量化も相俟って非常に素早く砲身を振ることができる。

以上が中の人の講義であるが、ただし、一方的な戦闘ができるわけではない。対空火器による被弾の可能性は常に存在し、2名のうちどちらかが被弾することも十分考えられる。このため前席(ガナー席)からも操縦でき、後席(パイロット席)からも射撃できる。つまり、どちらかが負傷しても、攻撃を続けつつ帰還できる可能性、つまり生存性が増している。エンジンこそ単発だが、機体の幅が1mちょっとしかないコンパクトさ(つまり、視認性の低さ)と、機体が軽いことによる機動性、この2点でカバーしている。安全である。