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「空気が読めない」「漢字が読めない」KY首相として批判されてきた麻生首相が、さ
らに「景気よくならない」「解散やれない」リーダーとして窮地に立たされている。

そのことを見越してか、民主党の小沢一郎代表が大連立構想を再び打ち出し、自民党
に揺さぶりをかけてきた。

産経新聞によると、29日に小沢氏が鳩山由紀夫幹事長と田中康夫新党日本代表とで都
内のすし店で会食した際に、小沢氏は「いずれにしろ、(次の政権は)選挙管理内閣
になる。全党入れた内閣になるかもしれない。超大連立だ」と語ったという。

一度は挫折した大連立構想だが、ここにきて自民党内部からも大連立を望むかのよう
な発言も飛び出している。渡辺喜美元行政改革担当相は1日午後に行われた日本BS放
送の番組収録で「早く選挙をやり、首相指名の1、2位コンビで話し合って危機管理
内閣をつくるべきだ。その先は政界再編に向けばらけていくことがあってもいい」
(時事通信)と語り、場合によっては民主党との大連立に参加すべきとの考えを表明
している。

「壊し屋」の異名を持つ小沢氏は、今回の騒動で何を狙っているのか。年末に向けて
政局が一気に動く気配が出てきた。





超大連立は十分にありうる。

自民党とすれば9月の任期満了まで選挙を先延ばししたい。しかし、党内ではすでに
麻生首相で選挙は戦えないと考えていて、そもそもこのまま麻生政権が持続できると
も思えない。では、誰かが代わりに首相になるかというと、それも現実的には不可能
だ。

できない理由は2つある。一つは候補者がいない。もう一つはいくらなんでも選挙の
洗礼を受けていない4人目の首相を立てることはできない。また、強引に新しい首相
を立てたとしても、公明党が同意してくれるかどうかがわからない。

となると、自民党としては内閣をバラして超大連立の選挙管理内閣にし、それで選挙
に打って出るという戦略もありうる。自民党にとっては羅針盤のない先の見えない航
海のようなものだが、今の麻生内閣で選挙をやるよりはマシだという選択だ。

だが、自民党が仮に超大連立にのってきたとしても、民主党の内部がどう反応するか
がいまだによくわからない。民主党にとっては総選挙で多数派になる政権交代が理想
で、今、超大連立組んでも得することがないと考える議員は多い。民主党内部がどの
ように動くかによって、超大連立が実現するかどうかが分かれるのではないか。

ただ、大連立なしに正攻法の総選挙で政権交代が実現したとしても、その先には遅か
れ早かれ政界再編がやってくる。小沢代表の本当の狙いは政界再編と同時におこる自
民党解体だ。つまり、大連立は選挙前に政界再編を行う手段であり、総選挙での政権
交代は選挙後の政界再編のための手段である。小沢代表は現在、政界再編に向けて2
つのカードを持っているのだ。

少なくとも今回の騒動を通じて、小沢代表の政治的カードが増えたことだけは間違い
ない。