『喜劇 駅前番頭』『がんばれ!若大将』 | 弱小!名作おバカ映画応援団

『喜劇 駅前番頭』『がんばれ!若大将』


『喜劇 駅前番頭』(1966)
監督 佐伯幸三
脚本 長瀬喜伴
出演 森繁久彌 フランキー堺 伴淳三郎 淡島千景 大空真弓 池内淳子 三木のり平

アメリカの大学出のフランキーは、旅館の番頭に就職、そこには、一癖も二癖もある人ばかり。

森繁社長は、女癖が悪くフランキー番頭をアリバイ作りに利用。

伴支配人は、頑固一徹、森繁社長の奥さん、千景は旦那の浮気を疑っており、フランキー番頭にスパイするよう命令する。あちらをたてれば、こちらがたたず、お決まりの勘違いで話が進み、勘違いが本当になり、ハッピーエンド。

これぞ娯楽作品。子供の頃、正月といえばこれ。(勿論、テレビですよ)

で、東宝の娯楽映画シリーズといえば、「若大将シリーズ」しかし…。


『がんばれ!若大将』(1975)
監督 小谷承靖
脚本 田波靖男
出演 草刈正雄 湯原昌幸 いけだももこ フランキー堺 関根(高橋)恵子 丹波義隆

加山雄三、大矢茂に続き、三代目若大将に草刈正雄。そして、田中邦衛の青大将は、湯原昌幸。

内容は、大学の若大将シリーズのようで、草刈若大将はアメフト部員。湯原青大将は、空手部員。

ちなみに、『大学の若大将』にもあるマンホールの蓋で焼き肉をするシーンが、こちらにもあります。

若大将の実家はトンカツ屋に変わり(父親、フランキー、妹、関根)、青大将は、金持ち変わらず。

何だか東映作品なのかと錯覚するような作り。下品なんですな(笑)

こんなシーンが。

「周りに毛が生えてて、中がいつも濡れてるもので、マで始まって、コで終わるもの」
おそらく下ネタ連想しますよね。でも、「マナコでしょ」

ズルッとなる一同。カメラに向かって「(口パクで)マ○コ(じゃないの?)」

うん。嫌いじゃない。

さらには、芸者さんが、「娘ざかり~♪」と『緋牡丹博徒』歌うわ、もう節操なし。(五社協定が崩壊したあとだからか?)

うん。嫌いじゃない。

嫌いじゃないけれど、東宝には東宝の、娯楽映画の良さがあるわけで、「社長シリーズ」「駅前シリーズ」「クレージーキャツ」そして「若大将シリーズ」同じ娯楽でもホワイトカラー向けで、品があったように思います。

フランキー堺、小谷監督、脚本の田波靖男、東宝娯楽作品の職人(小谷、田波は若大将シリーズも)が揃いつつも、違う雰囲気なのは、逆に考えればすごいのかもしれないが。

ここら辺の娯楽作品は、話術で魅せてくれます。(比べちゃかわいそうだが)話術が無い分、ギャグでカバー。若大将だと思わなきゃ別に構わないのだけど…。

どちらがいい、悪いではない。だけどこの作品は、若者向けに作られたようだが、作品の雰囲気を壊してまで、若者におもねる必要はないのでは?

とはいえ、これが70年代の雰囲気なのかもしれず、マドンナがいて、歳上の女から言い寄られたり、家族の問題(キョウダイは、兄弟よりも兄妹がいい)、仲間、喧嘩と王道な挿話が詰め込まれているのだから、(若大将というのは忘れて)70年代の娯楽映画として正しいのかもしれませんね。


『喜劇 駅前番頭』より。

向かって右、春川ますみさん。
細い…いや、若いですなあ。


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