第5レースBC・フィリー&メアターフ
G1
3歳以上牝芝2000m
300万ドル
日本馬の挑戦が始まり先ずはキュクレーンが出走する。有馬記念、ドバイ遠征、鳴尾記念、宝塚記念と4連勝し絶好調で最強牝馬の異名を取り、先行や逃げが得意で勝ち続ける、特に二の脚を使い他の追従を許さずに勝ちパターンを維持している。秋華賞で1着になったものの進路妨害で降着し牝馬三冠を逃すがそれ以外、敗けは無しと日本を代表する名馬となっている。尚道がひかるに購入を薦め買うのだが、ひかる自身はこれ程強くなるとは思っていなかった、尚道の相馬眼にひれ伏した。
第5レースでパドックで周回し、ディングル橋本はキュクレーンや対抗馬メイファアを重点的に解説と説明を行った。キュクレーンは問題なしと指摘し、メイファアに至っては硬い馬場に適応出来るかがカギと話す。そして穴はプライムガールだとも❗
出走馬 (全て牝馬)
1キュクレーン 3歳 ①
2シルビア 4歳 ③
3メイファア 4歳 ②
4キーボックス 5歳 ④
5トートー 4歳 ⑥
6プライムガール 4歳 ⑤
○内人気
実況中継
実況「今までこのBC・フィリー&メアターフを挑み勝った牝馬は居ません❗キュクレーンがやってくれるのでしょうか?解説はいつもお馴染み伊藤さんです。」
伊藤「どうも、今晩はと言うべきですかね、(笑)」
実況「日本では夜中となってます。キュクレーンについてですがどうですか?」
伊藤「キュクレーンは日本を代表する完璧な牝馬で名牝と呼んでも良いですねまさに女帝にふさわしく今日も安心して見る事が出来そうです。」
実況「なるほど、ではかなりの期待が持てそうと言った感じですかね」
伊藤「キュクレーンがミスでもしない限り負けは無いと思われます。日本でこの馬に中距離を勝てるとしたらスピードキング以外には居ませんね」
実況「なるほど分かりました。そろそろレースの時間が始まりそうです。天気は快晴、芝は良となり日本と似たような硬い馬場となりました。そして今回は6頭となっています。しかし、少数頭ですね」
伊藤「日本よりも5倍近い重賞がありますから、勝てるレースを選択する。それが大切だと思います。勝てないレースは見送るだから少数となると思いますね。」
実況「なるほど❗」
各馬が本馬場入場し、馬場を折り返しが始まる。軽くダートを流して走り芝コースへ入る。
実況「さあ各馬がゲートに収まります。ゲート入りは順調のようです。キュクレーンが優勝し日本馬に弾みをつけるか、さあ、緊張が高まる。BC・フィリー&メアターフ…………
スタートしました。キュクレーンが素晴らし~いスタート切りました。出遅れはシルビア、キュクレーンが先頭1馬身離れてプライムガールその後ろがトートーです。第1コーナーから第2コーナー各馬向こう正面に向かいます。先頭は依然としてキュクレーン4馬身着けましてプライムガールその後ろトートーその横にキーボックスその後ろにメイファアがピタリとマーク最後に3馬身離れてシルビアもう少しで1000m通過62秒と平均ペースよりはゆったりしています。キュクレーンいい手応え、プライムガール、メイファアも上がって来た。トートー、キーボックス、そしてシルビアも食い付き第3コーナーから第4コーナーへと向かいます。さあ先頭はキュクレーン5馬身のリード取っている。さあ、最後の直線勝負だ
メイファアが上がってくる❗プライムガールもいい脚だ❗しかし、キュクレーン逃げる、逃げる❗その差を広げて行く❗残り100キュクレーン強~い、もう7馬身着いている❗もうこれなら勝てそうだ。行った行った。これは楽勝だ。やりました。キュクレーン今ゴールイン、余裕の圧勝です。何と持ったまま逃げ切り、沙織騎手ガッツポーズ、日本のキュクレーンがやってくれました。牝馬に敵なし、牝馬の最強の称号を手に入れました。見事です、2着にはプライムガール、3着にメイファアが入りました。」
伊藤「いやいや、強い勝ち方でしたね。最強牝馬に相応し勝ち方でした。お見事❕」
実況「勝ちタイム1分58秒7 上がり3F33秒8となっております。これでは後方の馬は追い付けません。完勝です。」
スピードキングチーム全員が沙織とキュクレーンを拍手で迎えた。
ひかる「ありがとう沙織さん」
沙織「いえいえ、キュクレーンが強かっただけです。」
尚道「完璧な騎乗だった。」
沙織「えへへ、そんなに褒められると、痒いわ(笑」
大屋「見事な手綱捌きでしたよ」
沙織「次は大屋君の番よ、頑張ってね」
大屋「よっしゃ❗行くぞ」
大屋は自分の顔を両手で叩き気合いを注入した。
香坂「頑張ってね大屋君」
大屋「はい❗」
沙織はスピードキングの騎乗まで時間があるため昼食を取る事になる、紀美代が唐揚げ弁当を差し出す。
沙織「旨そうな、ザンギ弁当ね」
紀美代「ザンギ?何ですかそれ?」
康之「ザンギって初めて聞いたぞ?」
沙織「北海道は唐揚げの事をザンギって呼ぶの、でももっと大きくなってるわ」
紀美代「方言ですか?」
沙織「まあ、そんなところかな、あと、焼き鳥が焼き豚になってるわ」
康之「何で、焼き豚を焼き鳥って呼んでるんだ?」
沙織「さぁ?分からない」
康之「北海道は変わってるな」
沙織「なまら、わや、しゃっこいって分かる?」
康之「なまら、ナメコか?」
紀美代「なまらは、なまこ、とか?」
沙織「たいそうな事や非常にって意味よ、なまら速いとかね」
紀美代「ええ❗全然違った。」
康之「次は当ててやる❗」
沙織「じゃあ、ワヤは何でしょうか」
紀美代「ワヤ?」
康之「ワイヤーロープか?」
沙織「紀美代さんは」
紀美代「藁(わら)とか?」
沙織「ブーブー二人とも外れ、正解は駄目だとか無茶言うなって使うの、こりゃワヤだな見たいに」
康之「全然当たらん」
紀美代「方言って難しいわね」
沙織「じゃあ最後のしゃっこいは何でしょう」
紀美代「寒いとか」
沙織「おし~い」
康之「分かった。冷たいだ」
沙織「正解❗」
康之「やっと当たった(笑)」
3人は呑気にクイズをして楽しんでいた。
次はジャングルパワーの出走である。ディングル橋本はこの馬を個人的に応援していた。母の母の父がジャングルポケットで大好きな馬であった。ジャングルパワーは良く似ている所があり思い入れの深い馬であった。
血統を知ったのがダービー後であった為、馬券にも買っていなかったが、ダービー後応援すると決めていたのだ。
ディン「ジャングルパワーならやってくれます。必ず勝ちますよ❗」
中継でもジャングルパワーを語り期待を胸に活躍を期待した。
第9レース ブリーダーズカップ・ターフ
G1
3歳以上芝2400m
500万ドル
ジャングルパワーは共同通信杯で5馬身差で勝ち皐月賞に駒を進めたが、跛行となり皐月賞を断念、ダービーに出走しスピードキングの2着となる。世代最強の中で2着になるのも大変な事である。アメリカで対応出来るか不安要素はあったものの前走を圧勝し適正のある事を証明する。また左回りが得意でこれもジャングルポケットと似た点でもあった。
実況中継
実況「次はジャングルパワーが挑みます。またしても6頭と少数ではありますが、全ての馬がG1馬とレベルの高さが伺えますね」
伊藤「G1馬が多く回避した馬が多数いるようです。ジャングルパワーも実力では負けていないですから頑張って欲しいですね。」
実況「はい、では出走メンバーを見て見ましょう」
1ラック・トゥラァンクゥイル 4歳 ④
2バットマン 4歳 ⑤
3ブラストリバー 3歳 ②
4デッドゾーン 4歳 ⑥
5ルミエール 3歳 ③
6ジャングルパワー 3歳 ①
○内は人気
実況「ジャングルパワーが前走ジョーハーシュ・ターフクラシック招待を勝ち1番人気、アーリントンミリオンを勝ちブラストリバーが次いで2番人気となっています。」
伊藤「強敵が揃い、ジャングルパワーがどこまで行けるか見物ですね」
実況「各馬が本馬場入場し、バックストレッチ側に向かいます。距離は2400mBCターフの勝者はどの馬が栄冠を飾れるのか?」
各馬が折り返しゲートに向かい前頭がすんなりとゲートに収まる。
実況「体制完了です。………スタートしました。ジャングルパワーもいいスタートしました。が前には行きません。頭を取ったのがバットマンで1馬身離れてデッドゾーンその外にラック・トゥラァンクゥイルが前の方に上がって行く❗2馬身離れてジャングルパワーその後方にブラストリバー更に2馬身後方、殿のルミエールがいます。前から8馬身と言ったバラけた展開となっています。第3コーナーから第4コーナーに向かいます。観客の声援を受けます、6頭まだもう一周あります。先頭はここでラック・トゥラァンクゥイルに変わる2番手バットマン、デッドゾーン後ろ3馬身後方日本期待のジャングルパワーだ。3馬身離れてブラストリバーその直ぐ後ろにルミエールと行った展開、さあ、各馬が向こう正面に向かい少しペースが上がって来たのか、1000m60秒ミドルペース、依然としてラック・トゥラァンクゥイルが先頭をひた走っております。ジャングルパワー何処で動くか第3コーナーに向かい各馬が固まって行きます。
そして、来た❗ジャングルパワーが上がってくる。第4コーナーから直線に入る各馬がほぼ並んだ形だ抜けた。ジャングルパワー一気にやってくる。2番手ラック・トゥラァンクゥイルを交わして先頭だ。2馬身のリード広げるしかし、後ろからルミエールとブラストリバーが物凄い脚だ❗逃げるジャングルパワー、あと50メートルジャングルパワー逃げる鞭が入り加速する。外からルミエールが突っ込んできた。
しかし勝ったのはジャングルパワーだあクビ差でしたが何とか勝利をもぎ取りました。これで日本馬は2勝目あとはスピードキングが勝ってくれれば云うこと無しです。
勝ちタイム2分23秒3上がり3Fが34秒2でした。3着はブラストリバーのようです。」
伊藤「レベルの高い一戦でしたね。見応えありました。ほとんど団子状態のゴールで何度かレースをしたら結果が変わっていたと思いますね。各馬がとても素晴らしいかったです。」
実況「はい❗その通りですね、まさに激戦でした。」
ディングル橋本は飛び上がって喜びを爆発させていた。
ディン「素晴らしい走りでしたね。ルミエールが後ろから来た時ジャングルパワーはもう一伸びしました。全く強い馬です。」
ディングル橋本はジャングルパワーを誉め称え、興奮しながらレポートを進めていた。
大屋はまたしても号泣していた。嬉しさの感情を涙で表現するしか無かったのだ。オーナーの香坂もつられて泣いていた。
香坂「おめでとう大屋君、そして、ありがとう」
大屋は涙でぐしゃぐしゃな顔だった。
大屋「はっはい~い」
声が上手く出なかった。大屋はアメリカのメディアから質問を受けていたが英語が分からず、紀美代が通訳を勝手でた。
BCクラシック
距離 2000m
次は最強馬対決となる❗
スピードキングとディングルだった。世界最強と世界レコードホルダーとの対峙する事となる。このレースは前評判から2強の対決とされ全米でも注目が高く
「日米決戦」
「史上最強対決」
「最強を賭けた戦場」
と共にスポーツ紙だけではなく一般紙にも対決が書かれ世紀の一戦を見逃すなと迄書き込まれ、注目が集まっていたのだ。
尚道は沙織に最後の言葉を掛ける。
尚道「沙織ディングルの後ろには行くなよ。並走か少し前だ。」
沙織「どうして?」
尚道「最後の直線勝負で全てが決まる。その時後ろに居たら脚色が同じだろうから追い付け無い。ディングルが前にいたら勝機は無い、ディングルより前にいろ❗」
沙織「分かった❗勝ってくる」
尚道「今までのレースで最強の相手だ。スピードキングに無理してもらうが、それしか活路が無い、頼んだぞ」
沙織は尚道の助言を聞き終わると頷き唾を呑み込む
1 スピードキング 3歳 ②
2 ファイヤーフォックス 5歳 ③
3 ディングル 4歳 ①
4 ブラッドレイン 4歳 ④
5 ハムレット 5歳 ⑤
○は人気
この5頭はG1を5勝した馬が揃い最強を決めるに相応しいレースになることは誰しもが感じ取る。中でもスピードキングとディングルは全て超越しており2強の戦いが予想される。
ディングル橋本はこのレースを世紀の決戦と位置付け、どうなるのか予測も出来なかった。ただこの2頭以外に優勝は無いであろうとも考えていたのだ。
ディン「名前的には自分と同じディングルですが、やはり日本人としてスピードキングを応援はしたいですね日本の皆もスピードキングの応援お願いします❗」
ディングル橋本は一通りすべき事をやり遂げた。スタッフと休憩し、スピードキングの走りを見送り、最後はアドリブでレポートを終える予定だった。
パドックから本馬場へと移動し各馬がウォーミングアップを開始する。
紀美代は祈る想いで見守り、尚道すら言葉が詰まり、唾を呑み込む。ひかるや香坂も言葉を失いながら、スピードキングを見守る。緊迫感の高ぶりがオーナー席にまで伝わる。香織は汗ばんだ手でペンが濡れ、康之は貧乏揺すり、クロエは康之にしがみつき、他の者達は、外ラチ沿いまで見に行った。
一瞬だが静寂に包まれる。僅か数秒であったが、その時全員の意識が2頭に注がれたのだ。
実況放送
実況「一瞬ですが鎮まりました。注目はやはりこの2頭に注がれています。日本とアメリカのみならず、世界が注目する一戦です。伊藤さんはどちらが勝つと思われますか?」
「正直言って分かりませんが、はっきりしているのは、この2頭のどちらかが勝者となると思いますね。他の馬では太刀打ち出来ません。それだけスピードキングとディングルの強さが抜き出ていますね。」
実況「分かりました。それでは、馬番から紹介しましょう
1番、我らが本命スピードキング、前走では余裕の圧勝でしたが今回は強敵がおります。しかし、スピードキングも能力では負けていません。日本の至宝が挑みます。勝ってくれスピードキング
2番 ファイヤーフォックスこの馬は逃げると厄介G1を7勝している強者今日はどんなレースを魅せるか?
3番 出ました。大本命の登場です。今日も他馬を置き去りにして勝つのでありましょうか?未だに無敗そして、今日も勝ち有終の美を飾れるのか、史上最強馬ディングル
4番 ブラッドレイン名前通りの血の雨のような鼻血が時より見られますが、それでもディングルを避け別路線でG1を5勝と勝ち、今日初めてディングルと競います。強烈な末脚を発揮するか?
5番 ハムレット、 ハンデG1で6勝しています今日はハンデではありませんが何処まで食い付けるかが鍵となります。」
ウォーミングアップを終えた各馬がゲートに収まり始める。
実況「各馬がゲートに向かいます。おっとここで❗スピードキングがディングルを睨みつけています。それを見たハムレットがイレ込んでしまったようです。トラックマンが抑えます。どうやらスピードキングとディングルもゲートに入り最後ハムレットとゲートに入りました。
さあ、世紀の決戦の火蓋が今や遅しとゲートが開くのを待ちわびております。スタートしました。スピードキングが素晴らしいスタートだ。前に出ますスピードキングが前頭に立ちました。その後ろにディングル、ハムレットとは出遅れたようです。正面スタンド前を通過二十万の大声援に迎えられます。5頭、先頭はスピードキングその後ろピタリとディングルが貼り付きますが、外からファイヤーフォックスが上がって行きます。やはり逃げるのはこの馬か、先頭がファイヤーフォックスに替わりました。第1コーナーから第2コーナーへと向かいます。さあ先頭は依然としてファイヤーフォックスが前頭2馬身遅れてスピードキングが追走その外にディングルがマークする形になり、3馬身切れてブラッドレイン更に3馬身離れてハムレットとなります。もうすぐ1000mとなります。1000m通過58秒3とハイペースとなりました。前はキツイ展開となりました。さあ、このままスピードを抑えるのか?おっと❗ファイヤーフォックスが失速していくこれはハイペースが祟ったか?スピードキングが先頭に替わって第3コーナーへ向かいます。ディングルも外からスピードキングを捉える。やはり2強の争いだ。他の馬は着いて行けないか❗かなり離される。
さあ運命の最後の直線だ❗スピードキング先頭だしかし、外から❗ディングルが交わす。スピードキング鞭が入って更に差し替えす。だが、ディングルも負けて無い❗また先頭だ。なんと言う攻防、またスピードキングが伸びる。ディングルも伸びて並んだ。あと100m2頭が並んだ。このまま行くのか、スピードキングかディングル、スピードキング、ディングル、勝のはどっち、どっちだだあ~~❕
スピードキングとディングル全く分かりません❗勝敗は写真判定の様です。勝ちタイム1分57秒3レコードタイムです。上がり3F33秒0脅威的な強さを見せ付けましたこの2頭、他の3頭は遥か後方に置き去りにされてしました。伊藤さんいかがですか?」
伊藤「いや~、スピードキングにはいつも驚かされます。鳥肌が立ちましたね。」
実況「あのディングルと互角に渡り合ってましたからね。」
伊藤「はい❗このレース21世紀最高の名勝負と言っても過言では無いでしょうね勝ち負け関係無く素晴らしいレースでした。」
ゴール前のスローが流れるがどっちもゴールしていた。
実況「これは難しいですね、体制はスピードキングが有利に見えなくもありませんが?」
伊藤「微妙です。分かりませんね?」
場内はどよめき一進一退の攻防に観客は興奮していた。どちらが勝ったのか、それを見ようと誰も帰らなかったのだ。
最終競争BCクラシックは長い写真判定が続いていた。
続く
G1
3歳以上牝芝2000m
300万ドル
日本馬の挑戦が始まり先ずはキュクレーンが出走する。有馬記念、ドバイ遠征、鳴尾記念、宝塚記念と4連勝し絶好調で最強牝馬の異名を取り、先行や逃げが得意で勝ち続ける、特に二の脚を使い他の追従を許さずに勝ちパターンを維持している。秋華賞で1着になったものの進路妨害で降着し牝馬三冠を逃すがそれ以外、敗けは無しと日本を代表する名馬となっている。尚道がひかるに購入を薦め買うのだが、ひかる自身はこれ程強くなるとは思っていなかった、尚道の相馬眼にひれ伏した。
第5レースでパドックで周回し、ディングル橋本はキュクレーンや対抗馬メイファアを重点的に解説と説明を行った。キュクレーンは問題なしと指摘し、メイファアに至っては硬い馬場に適応出来るかがカギと話す。そして穴はプライムガールだとも❗
出走馬 (全て牝馬)
1キュクレーン 3歳 ①
2シルビア 4歳 ③
3メイファア 4歳 ②
4キーボックス 5歳 ④
5トートー 4歳 ⑥
6プライムガール 4歳 ⑤
○内人気
実況中継
実況「今までこのBC・フィリー&メアターフを挑み勝った牝馬は居ません❗キュクレーンがやってくれるのでしょうか?解説はいつもお馴染み伊藤さんです。」
伊藤「どうも、今晩はと言うべきですかね、(笑)」
実況「日本では夜中となってます。キュクレーンについてですがどうですか?」
伊藤「キュクレーンは日本を代表する完璧な牝馬で名牝と呼んでも良いですねまさに女帝にふさわしく今日も安心して見る事が出来そうです。」
実況「なるほど、ではかなりの期待が持てそうと言った感じですかね」
伊藤「キュクレーンがミスでもしない限り負けは無いと思われます。日本でこの馬に中距離を勝てるとしたらスピードキング以外には居ませんね」
実況「なるほど分かりました。そろそろレースの時間が始まりそうです。天気は快晴、芝は良となり日本と似たような硬い馬場となりました。そして今回は6頭となっています。しかし、少数頭ですね」
伊藤「日本よりも5倍近い重賞がありますから、勝てるレースを選択する。それが大切だと思います。勝てないレースは見送るだから少数となると思いますね。」
実況「なるほど❗」
各馬が本馬場入場し、馬場を折り返しが始まる。軽くダートを流して走り芝コースへ入る。
実況「さあ各馬がゲートに収まります。ゲート入りは順調のようです。キュクレーンが優勝し日本馬に弾みをつけるか、さあ、緊張が高まる。BC・フィリー&メアターフ…………
スタートしました。キュクレーンが素晴らし~いスタート切りました。出遅れはシルビア、キュクレーンが先頭1馬身離れてプライムガールその後ろがトートーです。第1コーナーから第2コーナー各馬向こう正面に向かいます。先頭は依然としてキュクレーン4馬身着けましてプライムガールその後ろトートーその横にキーボックスその後ろにメイファアがピタリとマーク最後に3馬身離れてシルビアもう少しで1000m通過62秒と平均ペースよりはゆったりしています。キュクレーンいい手応え、プライムガール、メイファアも上がって来た。トートー、キーボックス、そしてシルビアも食い付き第3コーナーから第4コーナーへと向かいます。さあ先頭はキュクレーン5馬身のリード取っている。さあ、最後の直線勝負だ
メイファアが上がってくる❗プライムガールもいい脚だ❗しかし、キュクレーン逃げる、逃げる❗その差を広げて行く❗残り100キュクレーン強~い、もう7馬身着いている❗もうこれなら勝てそうだ。行った行った。これは楽勝だ。やりました。キュクレーン今ゴールイン、余裕の圧勝です。何と持ったまま逃げ切り、沙織騎手ガッツポーズ、日本のキュクレーンがやってくれました。牝馬に敵なし、牝馬の最強の称号を手に入れました。見事です、2着にはプライムガール、3着にメイファアが入りました。」
伊藤「いやいや、強い勝ち方でしたね。最強牝馬に相応し勝ち方でした。お見事❕」
実況「勝ちタイム1分58秒7 上がり3F33秒8となっております。これでは後方の馬は追い付けません。完勝です。」
スピードキングチーム全員が沙織とキュクレーンを拍手で迎えた。
ひかる「ありがとう沙織さん」
沙織「いえいえ、キュクレーンが強かっただけです。」
尚道「完璧な騎乗だった。」
沙織「えへへ、そんなに褒められると、痒いわ(笑」
大屋「見事な手綱捌きでしたよ」
沙織「次は大屋君の番よ、頑張ってね」
大屋「よっしゃ❗行くぞ」
大屋は自分の顔を両手で叩き気合いを注入した。
香坂「頑張ってね大屋君」
大屋「はい❗」
沙織はスピードキングの騎乗まで時間があるため昼食を取る事になる、紀美代が唐揚げ弁当を差し出す。
沙織「旨そうな、ザンギ弁当ね」
紀美代「ザンギ?何ですかそれ?」
康之「ザンギって初めて聞いたぞ?」
沙織「北海道は唐揚げの事をザンギって呼ぶの、でももっと大きくなってるわ」
紀美代「方言ですか?」
沙織「まあ、そんなところかな、あと、焼き鳥が焼き豚になってるわ」
康之「何で、焼き豚を焼き鳥って呼んでるんだ?」
沙織「さぁ?分からない」
康之「北海道は変わってるな」
沙織「なまら、わや、しゃっこいって分かる?」
康之「なまら、ナメコか?」
紀美代「なまらは、なまこ、とか?」
沙織「たいそうな事や非常にって意味よ、なまら速いとかね」
紀美代「ええ❗全然違った。」
康之「次は当ててやる❗」
沙織「じゃあ、ワヤは何でしょうか」
紀美代「ワヤ?」
康之「ワイヤーロープか?」
沙織「紀美代さんは」
紀美代「藁(わら)とか?」
沙織「ブーブー二人とも外れ、正解は駄目だとか無茶言うなって使うの、こりゃワヤだな見たいに」
康之「全然当たらん」
紀美代「方言って難しいわね」
沙織「じゃあ最後のしゃっこいは何でしょう」
紀美代「寒いとか」
沙織「おし~い」
康之「分かった。冷たいだ」
沙織「正解❗」
康之「やっと当たった(笑)」
3人は呑気にクイズをして楽しんでいた。
次はジャングルパワーの出走である。ディングル橋本はこの馬を個人的に応援していた。母の母の父がジャングルポケットで大好きな馬であった。ジャングルパワーは良く似ている所があり思い入れの深い馬であった。
血統を知ったのがダービー後であった為、馬券にも買っていなかったが、ダービー後応援すると決めていたのだ。
ディン「ジャングルパワーならやってくれます。必ず勝ちますよ❗」
中継でもジャングルパワーを語り期待を胸に活躍を期待した。
第9レース ブリーダーズカップ・ターフ
G1
3歳以上芝2400m
500万ドル
ジャングルパワーは共同通信杯で5馬身差で勝ち皐月賞に駒を進めたが、跛行となり皐月賞を断念、ダービーに出走しスピードキングの2着となる。世代最強の中で2着になるのも大変な事である。アメリカで対応出来るか不安要素はあったものの前走を圧勝し適正のある事を証明する。また左回りが得意でこれもジャングルポケットと似た点でもあった。
実況中継
実況「次はジャングルパワーが挑みます。またしても6頭と少数ではありますが、全ての馬がG1馬とレベルの高さが伺えますね」
伊藤「G1馬が多く回避した馬が多数いるようです。ジャングルパワーも実力では負けていないですから頑張って欲しいですね。」
実況「はい、では出走メンバーを見て見ましょう」
1ラック・トゥラァンクゥイル 4歳 ④
2バットマン 4歳 ⑤
3ブラストリバー 3歳 ②
4デッドゾーン 4歳 ⑥
5ルミエール 3歳 ③
6ジャングルパワー 3歳 ①
○内は人気
実況「ジャングルパワーが前走ジョーハーシュ・ターフクラシック招待を勝ち1番人気、アーリントンミリオンを勝ちブラストリバーが次いで2番人気となっています。」
伊藤「強敵が揃い、ジャングルパワーがどこまで行けるか見物ですね」
実況「各馬が本馬場入場し、バックストレッチ側に向かいます。距離は2400mBCターフの勝者はどの馬が栄冠を飾れるのか?」
各馬が折り返しゲートに向かい前頭がすんなりとゲートに収まる。
実況「体制完了です。………スタートしました。ジャングルパワーもいいスタートしました。が前には行きません。頭を取ったのがバットマンで1馬身離れてデッドゾーンその外にラック・トゥラァンクゥイルが前の方に上がって行く❗2馬身離れてジャングルパワーその後方にブラストリバー更に2馬身後方、殿のルミエールがいます。前から8馬身と言ったバラけた展開となっています。第3コーナーから第4コーナーに向かいます。観客の声援を受けます、6頭まだもう一周あります。先頭はここでラック・トゥラァンクゥイルに変わる2番手バットマン、デッドゾーン後ろ3馬身後方日本期待のジャングルパワーだ。3馬身離れてブラストリバーその直ぐ後ろにルミエールと行った展開、さあ、各馬が向こう正面に向かい少しペースが上がって来たのか、1000m60秒ミドルペース、依然としてラック・トゥラァンクゥイルが先頭をひた走っております。ジャングルパワー何処で動くか第3コーナーに向かい各馬が固まって行きます。
そして、来た❗ジャングルパワーが上がってくる。第4コーナーから直線に入る各馬がほぼ並んだ形だ抜けた。ジャングルパワー一気にやってくる。2番手ラック・トゥラァンクゥイルを交わして先頭だ。2馬身のリード広げるしかし、後ろからルミエールとブラストリバーが物凄い脚だ❗逃げるジャングルパワー、あと50メートルジャングルパワー逃げる鞭が入り加速する。外からルミエールが突っ込んできた。
しかし勝ったのはジャングルパワーだあクビ差でしたが何とか勝利をもぎ取りました。これで日本馬は2勝目あとはスピードキングが勝ってくれれば云うこと無しです。
勝ちタイム2分23秒3上がり3Fが34秒2でした。3着はブラストリバーのようです。」
伊藤「レベルの高い一戦でしたね。見応えありました。ほとんど団子状態のゴールで何度かレースをしたら結果が変わっていたと思いますね。各馬がとても素晴らしいかったです。」
実況「はい❗その通りですね、まさに激戦でした。」
ディングル橋本は飛び上がって喜びを爆発させていた。
ディン「素晴らしい走りでしたね。ルミエールが後ろから来た時ジャングルパワーはもう一伸びしました。全く強い馬です。」
ディングル橋本はジャングルパワーを誉め称え、興奮しながらレポートを進めていた。
大屋はまたしても号泣していた。嬉しさの感情を涙で表現するしか無かったのだ。オーナーの香坂もつられて泣いていた。
香坂「おめでとう大屋君、そして、ありがとう」
大屋は涙でぐしゃぐしゃな顔だった。
大屋「はっはい~い」
声が上手く出なかった。大屋はアメリカのメディアから質問を受けていたが英語が分からず、紀美代が通訳を勝手でた。
BCクラシック
距離 2000m
次は最強馬対決となる❗
スピードキングとディングルだった。世界最強と世界レコードホルダーとの対峙する事となる。このレースは前評判から2強の対決とされ全米でも注目が高く
「日米決戦」
「史上最強対決」
「最強を賭けた戦場」
と共にスポーツ紙だけではなく一般紙にも対決が書かれ世紀の一戦を見逃すなと迄書き込まれ、注目が集まっていたのだ。
尚道は沙織に最後の言葉を掛ける。
尚道「沙織ディングルの後ろには行くなよ。並走か少し前だ。」
沙織「どうして?」
尚道「最後の直線勝負で全てが決まる。その時後ろに居たら脚色が同じだろうから追い付け無い。ディングルが前にいたら勝機は無い、ディングルより前にいろ❗」
沙織「分かった❗勝ってくる」
尚道「今までのレースで最強の相手だ。スピードキングに無理してもらうが、それしか活路が無い、頼んだぞ」
沙織は尚道の助言を聞き終わると頷き唾を呑み込む
1 スピードキング 3歳 ②
2 ファイヤーフォックス 5歳 ③
3 ディングル 4歳 ①
4 ブラッドレイン 4歳 ④
5 ハムレット 5歳 ⑤
○は人気
この5頭はG1を5勝した馬が揃い最強を決めるに相応しいレースになることは誰しもが感じ取る。中でもスピードキングとディングルは全て超越しており2強の戦いが予想される。
ディングル橋本はこのレースを世紀の決戦と位置付け、どうなるのか予測も出来なかった。ただこの2頭以外に優勝は無いであろうとも考えていたのだ。
ディン「名前的には自分と同じディングルですが、やはり日本人としてスピードキングを応援はしたいですね日本の皆もスピードキングの応援お願いします❗」
ディングル橋本は一通りすべき事をやり遂げた。スタッフと休憩し、スピードキングの走りを見送り、最後はアドリブでレポートを終える予定だった。
パドックから本馬場へと移動し各馬がウォーミングアップを開始する。
紀美代は祈る想いで見守り、尚道すら言葉が詰まり、唾を呑み込む。ひかるや香坂も言葉を失いながら、スピードキングを見守る。緊迫感の高ぶりがオーナー席にまで伝わる。香織は汗ばんだ手でペンが濡れ、康之は貧乏揺すり、クロエは康之にしがみつき、他の者達は、外ラチ沿いまで見に行った。
一瞬だが静寂に包まれる。僅か数秒であったが、その時全員の意識が2頭に注がれたのだ。
実況放送
実況「一瞬ですが鎮まりました。注目はやはりこの2頭に注がれています。日本とアメリカのみならず、世界が注目する一戦です。伊藤さんはどちらが勝つと思われますか?」
「正直言って分かりませんが、はっきりしているのは、この2頭のどちらかが勝者となると思いますね。他の馬では太刀打ち出来ません。それだけスピードキングとディングルの強さが抜き出ていますね。」
実況「分かりました。それでは、馬番から紹介しましょう
1番、我らが本命スピードキング、前走では余裕の圧勝でしたが今回は強敵がおります。しかし、スピードキングも能力では負けていません。日本の至宝が挑みます。勝ってくれスピードキング
2番 ファイヤーフォックスこの馬は逃げると厄介G1を7勝している強者今日はどんなレースを魅せるか?
3番 出ました。大本命の登場です。今日も他馬を置き去りにして勝つのでありましょうか?未だに無敗そして、今日も勝ち有終の美を飾れるのか、史上最強馬ディングル
4番 ブラッドレイン名前通りの血の雨のような鼻血が時より見られますが、それでもディングルを避け別路線でG1を5勝と勝ち、今日初めてディングルと競います。強烈な末脚を発揮するか?
5番 ハムレット、 ハンデG1で6勝しています今日はハンデではありませんが何処まで食い付けるかが鍵となります。」
ウォーミングアップを終えた各馬がゲートに収まり始める。
実況「各馬がゲートに向かいます。おっとここで❗スピードキングがディングルを睨みつけています。それを見たハムレットがイレ込んでしまったようです。トラックマンが抑えます。どうやらスピードキングとディングルもゲートに入り最後ハムレットとゲートに入りました。
さあ、世紀の決戦の火蓋が今や遅しとゲートが開くのを待ちわびております。スタートしました。スピードキングが素晴らしいスタートだ。前に出ますスピードキングが前頭に立ちました。その後ろにディングル、ハムレットとは出遅れたようです。正面スタンド前を通過二十万の大声援に迎えられます。5頭、先頭はスピードキングその後ろピタリとディングルが貼り付きますが、外からファイヤーフォックスが上がって行きます。やはり逃げるのはこの馬か、先頭がファイヤーフォックスに替わりました。第1コーナーから第2コーナーへと向かいます。さあ先頭は依然としてファイヤーフォックスが前頭2馬身遅れてスピードキングが追走その外にディングルがマークする形になり、3馬身切れてブラッドレイン更に3馬身離れてハムレットとなります。もうすぐ1000mとなります。1000m通過58秒3とハイペースとなりました。前はキツイ展開となりました。さあ、このままスピードを抑えるのか?おっと❗ファイヤーフォックスが失速していくこれはハイペースが祟ったか?スピードキングが先頭に替わって第3コーナーへ向かいます。ディングルも外からスピードキングを捉える。やはり2強の争いだ。他の馬は着いて行けないか❗かなり離される。
さあ運命の最後の直線だ❗スピードキング先頭だしかし、外から❗ディングルが交わす。スピードキング鞭が入って更に差し替えす。だが、ディングルも負けて無い❗また先頭だ。なんと言う攻防、またスピードキングが伸びる。ディングルも伸びて並んだ。あと100m2頭が並んだ。このまま行くのか、スピードキングかディングル、スピードキング、ディングル、勝のはどっち、どっちだだあ~~❕
スピードキングとディングル全く分かりません❗勝敗は写真判定の様です。勝ちタイム1分57秒3レコードタイムです。上がり3F33秒0脅威的な強さを見せ付けましたこの2頭、他の3頭は遥か後方に置き去りにされてしました。伊藤さんいかがですか?」
伊藤「いや~、スピードキングにはいつも驚かされます。鳥肌が立ちましたね。」
実況「あのディングルと互角に渡り合ってましたからね。」
伊藤「はい❗このレース21世紀最高の名勝負と言っても過言では無いでしょうね勝ち負け関係無く素晴らしいレースでした。」
ゴール前のスローが流れるがどっちもゴールしていた。
実況「これは難しいですね、体制はスピードキングが有利に見えなくもありませんが?」
伊藤「微妙です。分かりませんね?」
場内はどよめき一進一退の攻防に観客は興奮していた。どちらが勝ったのか、それを見ようと誰も帰らなかったのだ。
最終競争BCクラシックは長い写真判定が続いていた。
続く