明後日に控えたW杯組み合わせ抽選の予想?の記事を見ない日はない。
組み合わせは運がつきものだし。この運によって結果は大きく左右される。今回の予選プレーオフを見ても、イタリアがスウェーデンとの組み合わせにならなければ、ブッフォンの涙は来年に持ち越されていたはずである。サッカー大国イタリアですら、抽選という運には抗えないのである。
日本サッカーの運を信じるしかない。
しかし、これは日本サッカーのレベルの話ではなく、今回限りの組み合わせの運不運の話であることを忘れてはいけない。組み合わせに恵まれてベスト16に進出することができても、日本が世界で16番目に強いチームという子ではないし、日本が不出場のイタリアに勝てるかといえば、決して普通にやって勝てる相手ではないのである。
そんなことを考えると、今のハリルが目指す「縦に速い」カウンターサッカーを将来の日本サッカーの未来図とできるのか。
日本の「縦に速い」サッカーはハイプレスとワンセットである。なるべく高い位置で、ヴァイタルエリアに入る前でボール保持者を囲み、奪い、素早く縦にボールを送る。そこから、オフェンスの選手が一斉にゴール目指して動き出す。
アジアレベルならこれは可能である。
しかし、先日のブラジル戦のように個人技で囲みを突破されると、打つ手はなくなる。
日本が南米系のチームに弱いのは、個人技によって日本人選手のプレスが簡単に剥がされてしまうからである。
ヨーロッパのチームにはまだ日本のプレスが通用するところがあって与しやすいのである。
さらに強国と対戦した場合、ある程度守備に力点を置かざるを得ないので攻撃に出る際の人数不足はやむを得ない。するとそれなりに技術がありサッカー偏差値の高い選手と確実にゴールを決めきれる選手が必要なのだが、今の日本代表には見当たらない。
現在の日本人で一番シュートが上手いのは本田である、と思う。技術の高さで言えば、乾と大迫であろうか。サッカー偏差値では岡崎も良いレベルであろう。
私が浅野選手を使うなというのは、このどの要素にも入らないからである。ハリルはお気に入りなのであろうが、ハリルの理想に浅野が近づく
にはあと数年は要するであろう。浅野に期待することは無駄である。
ハリルの目指すサッカーに私は納得できるところもあるが、選手選考において不満である。現状の日本が行える「縦に速い」サッカーを実現できる選手選考とは思えない。いくら縦に速いサッカーでもゲームを作れる選手が不要だということにはならないであろうと思う。
前々週のマンチェスター・シティVSレスターの試合を観て、ポゼッションサッカーということを考えた。
シティが75%のポゼッション。対するレスターは90分間で25%でしかない。
結果、シュート数が10本対1本(枠内0)である。これでレスターが勝ったら奇跡である。
ポゼッションサッカーを目指す一つの理由は、ボールを保持している限り攻められない。点は取られない。「攻撃は最大の防御である」というが、ポゼッションサッカーは攻撃していなくても最大の防御になるのである。
ハリルはポゼッション率の高いチームが勝つわけではないとコメントするが、ポゼッションを高めることができず、低くならざるを得ないチームは勝てないのである。先のブラジル戦で日本のポゼッションは37%、ベルギー戦は39%であった。
2013年ロッベン率いるオランダを苦しめ、引き分けた試合は45%。3日後、ベルギーに打ち勝った試合は53%と日本がポゼッションを上回っている。
「縦に速い」サッカーと同時にポゼッションは五分五分の勝負をするための選手選考と戦術をハリルには考えて欲しいが、それを実現するための時間と練習試合はもうない。
どうする?ハリル。