グリーンマックス製のストラクチャーキット『日本の情景シリーズ』の地方役場です。このキットシリーズ他に増して盛り沢山の内容で、作り応えがあり見るからに楽しみと見て、一目惚れで購入したものです。

実はこのキット、前後して発売された『木造校舎の学校』の簡易版と言える製品で、建物本体の主要パーツは共通です。『木造校舎の学校』は、かなり大柄なストラクチャーで、実感的に組み込む事が出来るレイアウトを作るとなれば、最低でも4.5畳ぐらいの部屋が必要になると思います。当時のカタログでもそれを認めており、挙げ句の果てには『レイアウトのエンドレスの内側すべてが校庭の敷地になってしまってもかまわないじゃありませんか!』と謳っています。それだけグリーンマックスが学校のキットの製品化に、力を入れていたと言う事です。

とは言え、現実的に模型の列車を走らせるには、それなりに実感的な街並みの中を走らせたいもの。そこで私は『地方役場』のキットを購入しました。これでもストラクチャーとしては大柄な方ですが『木造校舎の学校』の、1/3のスペースで済みます。

ストレートに役場として組み立てるのが簡単ですが、山間の分校にも見え、旧い役場の再利用として公民館や資料館にも使える、便利なキットです。冒頭に述べた盛り沢山の内容は、望楼に見立てる為に、少し前に完成品をアップした火の見櫓、細かな設定の正門、掲示板、学校キットからの副産物である百葉箱、時計塔も利用価値があり、ドサクサで付いて来た使えない瓦屋根等は、別館やガレージ、倉庫を作るに有用です。更にステッカーも、選挙宣伝カーに使うスローガンや、郵便局向け、公民館向け等、レイアウト建設への意欲を掻き立てる物ばかりで、当時のグリーンマックスらしい、楽しさが散りばめられています。

これまた単体で組み立てても楽しい、遠い古き良き昭和を懐かしむ、遠い目で見る様なキットです。

1988年発売 発売当時価格 2.500円(税別価格 現在もパッケージ等を変えて発売中)






今回のトミックス製ED61形は、1998年に発売された2代目モデルのバリエーションで、実車が登場した当初のブドウ色2号に塗られた仕様です。トミックスの2代目は、1997年に先ず青15号から発売、その翌年にこのブドウ色2号のモデルが発売されました。因みに2代目では改造機のED62形も同時に発売、そのカラーバリエーションとして、JR貨物に移籍後のスタイルも発売されています。

前回アップした3代目の10年以上前に発売されていますが、これでも十分なディテールを持ち、むしろ運転が主体のNゲージにおいては、この辺りの精密感が最適だと私には感じます。後付けのパーツはナンバーだけで、その他のパーツは優れた金型技術による再現で完璧。買って帰ってケースから取り出し、直ぐにレール上に載せて走らせる・・この2代目はその理にかなっています。それが3代目になると、買って帰ってから、細かなパーツの取り付けに余分な時間が掛かり、結局その日中にはレイアウト上では楽しめません。

この個体は、閉店する模型店で半値8掛けで購入しました。本当は青15号が欲しかったのですが、既に売り切れたあと。このブドウ色2号はその店が本当に閉店する最終日まで売れ残っており、不憫に思い連れて帰って来ました。もしあの時、青15号のモデルが手に入っておれば、このモデルは手にしていなかったし、また3代目のモデルも買っていなかったと思います。そう考えると何とも運命的な出合いだったと、今更ながら感じています。

1998年発売 発売当時価格 5.200円(税別価格)






2001年に発売された『トミカくじⅡ』に含まれていたスバル360は、純白のボディに緑のルーフと言うスタイルでラインナップに加わっていました。

初期の頃のトミカくじは、奇抜なボディカラーに変更しただけのモデルが多かったのですが、このスバル360もしかり、実車では見た事もない様なカラーリングです。モデル本体は、中国製に移った後の原型金型ですが、こうして見ると金型の劣化も見られ、また塗装仕上げが悪く、各部にムラが見られます。

特に突出したモデルではありませんが、トミカのスバル360コレクションの一員として『まぁ手に入れば揃えておいても良いかな…』と言った感じのモデルです。

2001年7月発売 発売当時価格 350円(税込みブラインド販売価格






前回、原型モデルをお送りしたトミカのバモスホンダは、トミカ30周年復刻シリーズの第2弾にも登場しました。

30周年復刻シリーズ共通のホイールを除き、殆ど当時物と変わらないスタイルで復刻されています。それは当時のレギュラーモデルが、このスタイルこのカラーで終始した事もあり、トミカのバモスホンダとしては、これ以外に思いつかないからに、他ありません。

しかしシャシは大幅に改変されて、殆どのディテールがオミットされており、当時物の面影はシャシ全体の形状以外は残っていません。よって外観上の復刻と見て良いと思います。またフロントシートが簡略化され、安っぽく改悪されてしまっています。とは言え、このモデルは上周りの出来の良さが光る1台なので、復刻モデルとしては、それでも良いと私は感じています。

私の友人がフリーマーケット(ミニカーコレクター相手のマニア向けではない一般的なフリマ)で、当時まだ市場在庫が180円で売られていたこのモデルを、3000円も出して買って来た事を思い出します。彼は一応旧車の知識もあり、バモスホンダが旧いホンダの、珍しい軽トラと言う事も知っていたのですが、ミニカーについては殆ど素人でした。買って来て直ぐ『このバモスのトミカは貴重な当時物やろ!オレ子供の頃に持ってからわかるねん!たった3000円で手にした!』と、私に自慢げに見せに来ました。私は箱を見ただけで『嗚呼〜(泣)』と、心の中で叫んでしまいました。そして『うっ・うん、まぁ出来の良いモデルやから大切にコレクションしとき・・』これ以上は言えませんでした。

それだけ素人が見たら復刻モデルとは気がつかない、或いは当時物がいかにワンパターンで終始したかを証明する、何ともやるせない出来事でした。

2000年9月発売 発売当時価格 180円(税別価格)






トミカ30周年復刻シリーズのスカイラインは、第1弾にて、C10系の所謂ハコスカが登場していましたが、それは非常に残念な製品でした。

この21-1番の2000GT原型モデルは、廃盤になって直ぐに、21-2のレーシングタイプに金型が改変されてしまった為、ノーマルの2000GTとしては、永遠に再生産が出来なくなってしまいました。私がこの30周年復刻モデルのラインナップに21-1の復刻があると知った時、もしかしたら新金型で2000GTが、本当の意味で復刻されるのかと期待していたら、何と21-2のレーシングを箱絵と同じレッドに塗っだけの、茶濁しの様なモデルとしてラインナップに加えて来ました。

どう考えても不満が募る再販で、ボディカラー以外は箱と中身が違い、トミカ本来の良心が感じられません。それなら21-2として復刻した方がスッキリと市場に迎えられたと思います。特別定価の180円では、コストの面からステッカーの付属は難しかったかも知れませんが、日本グランプリ仕様を模したカラーリングだけでも復刻の価値があり、またシリーズ中で売れ筋モデルとなったと、想像に難しくありません。もしステッカーを付属したとしても、人気モデルだけに、十分元が採れたとも思います。

残念ながら30周年復刻シリーズとしては、あまり評価をしたくないのですが、もし21-2のレーシングとして復刻されておれば、同じモデルでもその立ち位置が180°変わっていた、何とも不憫なモデルとも思います。

2000年8月発売 発売当時価格 180円(税別価格)