今回の元祖ダイヤペットの観光バスは、国際観光バスのモデルです。このタイプの観光バスとしては最初に発売されたモデルで、前回のニューはとバスよりも先の1974年8月に発売されています。

国際観光バスと聞いて『なんたって18歳!』と言うドラマを思い出す方々は、既に還暦近く或いは還暦を超えた方と想像に難しくありませんが、私も幼稚園児ながらもドラマを毎週見ていました。それは主役の岡崎友紀さんやドラマのストーリーよりも、国際観光バスが活躍する姿を見るのが目的でした。関西圏以外の観光バスの姿は新鮮で、このベージュが基調のバスの印象は、極めて鮮烈に幼児体験として残る事になります。

そんな思い出のある、国際観光バスのミニカーを私が手にするのは、1976年になってからの事であり、モデルの新発売から既に2年が経過していました。大阪では馴染のない観光バスだった為か、新発売当時に近くの玩具店で見た覚えは無く、ニューはとバスと国鉄ワンマンバスだけが、店頭に並んでいました。よって小学2年生の私に、国際観光バスのミニカーが存在する事を知る術はありませんでしたが、1976年の夏、心斎橋の大丸百貨店の玩具売場のミニカーのショーケースに、国際観光バスが並んでいるのを見つけてしまいました。この時は一周り大きい日本高速バスを買って貰う事にしていましたが、急遽ターゲットをこの国際観光バスに変更したのは言うまでもありません。あの『なんたって18歳!』のバスのミニカーが存在した事に感動さえ覚えたぐらいです。そしてあの時に大丸のミニカー売場で手にした姿のまま、今日まで温存して来ました。

しかし、このモデルの購入時期には大きな謎があります。私は間違いなく1976年の夏に手にしているのですが、後に調べてみると、この頃には既に絶版になっていた模様です。1976年からの車種別品番を与えられておらず、箱には消滅していた筈の、ダイヤペットエースシリーズの表示がある事からも、その事がわかります。また1976年のカタログにも載っておらず、そんなカタログ落ちしていたモデルが、なぜ大手の百貨店の玩具売場に並んでいたのか、今となっては大きな謎となっています。

1974年8月発売 発売当時価格 1.700円