カーサーモデルはVWのプロモーションモデルを多数送り出していましたが、商用車のタイプ2もT1の時代からラインナップに加わっていました。

これらのモデルはプラスティック製で、持ち運びも容易なので、セールスマンが立体カタログの様に用いたり、また、現在のショールームで見られる、カラーサンプルモデルの様な役目をも、果たしていました。またモデル自体の販売もショールームでされていた様です。

流石にメーカー直のモデルだけあって、プロポーションは秀逸で、ディテールはあっさりとしていますが、極めて正確にスケールダウンされています。当時のVWタイプ2のモデルは、各パーツの配置は間違っていないのですが、特にフロントスタイルは何かバランスがおかしく、実車と何となく似ているモデルが多い中、このカーサーモデルは完璧に実車のフロントスタイルを再現しています。もちろん他の部分も完璧なのですが、フロントスタイルがトータルバランスに影響する事を示した好例と言えます。

この個体は20年程前に購入しましたが、とにかく秀逸な仕上がりに感心して、どうしても手にしたかったモデルだったので、入手した時は本当に嬉しかったと振り返ります。近年に復刻版が発売されましたが、この当時物の持つ魅力は、味のある箱のデザインを含めて、別格の価値があると思います。

次回はこのデリバン以上に欲しかった、マイクロバスのモデルをお送りしたいと思います。

1968年発売 発売当時価格 不明