バス模型の項、新生アガツマ・ダイヤペットのバスが走り去った後は、元祖米澤ダイヤペットのバスを暫くの間お送りします。

今回は1975年に発売された、ニューはとバスのモデルで、この頃にカラーを変更した新デザインのモデルです。ベース車種は三菱ふそうのB800及びB900系のK11ボディを、玩具としてアレンジしています。今でこそバスのミニカーは実車に忠実なモデルが殆どを占め、お子様からコレクターまで、広い範囲の購買層から納得されるモデルに成長しましたが、約半世紀前のバスのミニカーは、高価なスケールモデルを謳っていても、この辺りが普通とされていました。

上下分割のボディを長いビスで固定、ステッカーによるデザイン及びディテールの表現、フロントグリルはバンパーと兼用、扉は無理してでも開閉、何故か表現されていない非常口などが共通の『仕様』で、この様な体裁のモデルが長年まかり通っていました。

この『ニューはとバス』は、その様な典型的なモデルで、更に付け加えると、はとバスの車両は株主であるいすゞ車が殆どを占め、このタイプの三菱ふそうは、近似値のタイプであっても極少数しか存在しなかった模様なので、玩具だからと言うエクスキューズの下に製品化されました。その証拠に箱には三菱ふそうと記されておらず、大人の事情を闇に語っているようです。

この個体は私が1975年から所有し続けて来たワンオーナーモデルで、彼岸のお参りに行った際に、デパートで祖母に買って貰った想い出深い1台です。高額のバスのミニカーは、当時、親から大切にする様に言われていたので、今でもこの様な状態で残っており、またこのモデルを手にした直後から、コレクションを意識し出した為、この頃に買って貰った高額のバスモデルは、特に美しく残っているのです。

逆にコレクションのあり方について、試行錯誤していた、10代半ば前後に手にしたモデルの方が保存状態は劣り、当コレクションに残るこれら元祖ダイヤペットのバスを並べて見ると、私のバスコレクションの歴史の縮図を見るように思えて来ます。

1975年3月発売 発売当時価格 1,700円