比較的初期のトミカくじⅡに含まれていた、521ダットサントラックのモデルです。この頃のトミカくじは、単にカラーリングを変更したモデルを、これまた単にランダムに詰め合わせた、統一性の無い内容だったのですが、この521ダットサンも、あまり現実味の無いイエローで登場しました。

トミカの521ダットサントラックは、新発売当初は香港トミカとして登場、しかしその販売期間は短く、更に発売された頃に実車は次の620系に移行しており、また金型を大幅に改良された日本生産モデルも現れましたが、全く人気の無いトミカとなり、総生産台数の少ないモデルに終わりました。

その為、当時物のバリエーションは少なく、レギュラー品は大きく分けて香港製の赤いボディ、日本製の白いボディしかありませんでした。しかし日本製に移行したモデルのバリエーションに、小田急デパートの第1回トミカ工場の特注モデルがあり、それは今回のトミカくじⅡとそっくりの、黄色いボディのモデルでした。その為、私はこのモデルをベテランコレクターを驚かせる為の、サプライズモデルではないかと思った程です。

モデルとしては、希少価値と言う以外に注目する部分が少なく、全体にギクシャク感が否めない仕上がりです。香港製から日本製に移行する際に、金型の大掛かりな改修があったにせよ、キャビンの造形やフロントフェンダー周りは酷いものです。シャシと一体のフロントグリルの改修は良かったのですが、ドアと荷台のプレスラインは合っておらず、またキャビン後方のウインドウを、どういう訳か埋めてしまった事は、失敗だったと思います。

最近になってTLVから同車種のモデルが発売されましたが、それまでは唯一の小スケールモデルであった為、近年になってバリエーションが増幅した、珍しい事例のモデルとなり、私も幾つかコレクションしているので、数台をアップしたいと思います。

2001年7月発売 発売当時価格 350円(税込みブラインド販売価格