40年近く前に製作した私の駄作から、グリーンマックス製のキットを組み立てた、国鉄キハ04形の2両編成です。

1980年代のグリーンマックスを顧みると、初代社長が気合いを入れていた、昭和の古き良き時代のストラクチャーは、現代のトミーテック製のジオコレにも十分匹敵する、素晴らしいラインナップが魅力でした。しかも全てキット形式で、レイアウトを自分の思うように建設したい、本来のNゲージャーにとって理想的な製品群でした。今のストラクチャーは殆どエージングが効いた、素晴らしい完成品或いは半完成品で様々な時代をまかなえ、簡単にリアルな街並みを表現する事が出来ます。それはそれで全く否定はしませんが、私はキットを自在に改造し、オリジナルの街並みを作る方が、レイアウト建設の理想と考えています。

そしてこのキハ04形ですが『バリエーションキット』と言う、当時の新シリーズに加わったもので、1983年発売の箱根登山鉄道のキットに続いて、1984年に発売されました。HOゲージのトータルキットに匹敵する内容で、動力装着や台車をはじめ、塗料とデカール以外は全て揃っています。更に旧型気動車の時代を演出する為の、荷台バケットや代燃装置、更に必須アクセサリーとして燃料計量器までセットされています。

ボディは当時のキットてしては、非常によく出来ており、懐かしのガソリンカー出身の旧型気動車の魅力を余す事無く再現しており、ズラリの並んだ細かなリベットは秀逸です。また小型の動力装着の開発により、床下機器もリアルなパーツにより再現、こう言ったところからも、鈴木社長の気合いが伝わって来ます

1キットで1両をキハ04形、もう1両をキニ05形として製作することが出来ましたが、私はキハ04形2両編成にして走らせたかった為、キハ04形の別売ボディを更に購入しました。なおキニ05形は未だに手付かずで、40年近くストックとして眠ったままです。

さて私が組み立てたこの駄作、キットをそのまま組み立てただけで、全くつまらない仕上がりです。しかも何の表記も無く、せっかくのリアルな原型を活かしきれていません。ただ17才の時に組み立て事もあり、塗装技術だけはそこそこ上達している節が感じられ、パッと見はそれなりに見られるかと思います。

若気の至りの反面教師として完成以来、そのままの状態で保存して来ましたが、近年になって連結面のカプラーをカトーカプラーに交換し、1両で走らせても違和感が少なくなりました。

本来、公然と発表出来る様な作品ではありませんが、あの頃にこんな旧い車両を組み立てた、変な高校生が居た事だけを、今にお伝えしたかった次第です。

1984年発売 発売当時価格 3.600円(2両セットのキット価格)