2011年に発売された、津川洋行製の銚子電鉄デキ3形のNゲージ初版モデルです。

この可愛らしいスタイル故に実車も古くから人気のある電気機関車なので、各スケールで多くの製品が存在し、模型としても安定した人気があります。しかしNゲージの製品は1/150に縮小すると小さ過ぎる為に、動力車としてのモデル化は長年困難とされて来ましたが、21世紀に入り模型技術の進歩は著しく、この様な超小型車両でも動力化が可能になり、こうして我々Nゲージャーもレイアウト上でその走行を楽しめる様になりました。

今回のモデルは2011年に発売された初版モデルで、私もこれが走行する事に感動して早速購入しました。もっとも、この製品の前に精密な真鍮製のキットがあったのですが、この様な超小型車両は扱い易さも視野に入れておく事も大切で、精密なモデルが完成しても、Nゲージの場合は走行させて結局破損させてしまうのがオチなので、この製品ぐらいのディテールが程良いと思います。確かに点灯部分も無く物足りないかもしれませんが、その辺りはお好みにより個々で改造すれば良いと思います。

仕上がりは前回の南部縦貫鉄道のレールバスより向上しており、一番のウィークポイントだった塗装も、あやふやな感じは無くなっています。各表記の印刷も確かで、また手摺等の細いパーツの大きさも違和感がありません。この赤電色は1970年代中頃のスタイルなのでビューゲルを装着していますが、そのビューゲルもレベルに達しており、なかなか良い雰囲気です。

肝心の走行性能ですが、これは標準よりも少し落ちます。超小型車両故にウエイト不足は根本的に解消する事が無理なので、ある意味仕方ないかも知れません。またホイールベースもミニマムな為、急発進や急停車させると脱線してしまいます。この個体は連結器を装着していませんが、開放テコと共にセルフで装着する指示がなされています。しかし、スプリング代わりに装着するスポンジが安定性と耐久性に欠け、これは何か思案のしどころです。

近日中に同じカラーリングの客車を2両連結し、味のある列車編成を楽しみたいと思っています。

2011年7月発売 発売当時価格 7000円(税別価格)