今回のバンダイBC2 製の『なつかしの家電コレクション 』は角形噴流式電気洗濯機です。テレビ、冷蔵庫と来て洗濯機となれば『三種の神器』と呼ばれる家電が揃った事になります。特に洗濯は家事の中でも重労働にあたり、洗濯機は先ずそこから主婦を開放した有意義な電化製品だったと、私の母親も語っています。

これ以前の洗濯機は、炊飯器の様な型の撹拌式と言い、槽と同じぐらい高さのある大型の羽根をゆっくり反転させて水流を発生させる方式でしたが、小型洗濯機では洗濯物の布を傷める帰来があった為、洗濯槽の側面に付けたパルセーターで渦を起こす噴流式が開発され、その方式を最初に採用し製品化したのが、今回のMW-303と言う事です。

特徴は何と言っても手回しハンドル式の絞り機で、我々の世代以上の方々にとって懐かしい装備で、昭和30年代を代表する洗濯機の装備です。私はあまり家のお手伝いは好きではありませんでしたが、この絞り機だけは面白く、よく回して脱水を手伝ったものです。時折ボタンが割れて吹っ飛ぶと言うオツリがありましたが、あのレバーを回して洗濯物がローラーから捻出される動きは楽しかったものです。後に脱水槽付きの洗濯機が開発されると、新しい物好きの父親のお陰で、手回し絞り式の洗濯機は直ぐに買い替えられてしまいましたが、今でもハンドルを回す感覚を私の手は覚えています。

さてモデルの方も非常によく出来ていて、件の手回しハンドルも別パーツで誂えており、あの懐かしい動作をミニチュアながらも味わえます。洗濯物を載せる台や排水ホースも付属しており、これらを組み付けると実に精密な仕上がりになります。欲を言えば絞り機のローラーも回転すれば更に楽しかったと思います。他にも先述べのパルセーターも洗濯槽の側面に再現、各部のエンブレム等の装飾も美しく再現されています。

テレビや冷蔵庫には無い『動き』と言うアクションがある洗濯機ならではの、郷愁感に満ちた懐かしのミニチュア家電です。

2007年11月発売 発売当時価格 472円(ブラインド販売 税込み価格)