21世紀に入って発売されたトミカのマイクロバスは、世界一売れているマイクロバスとされたトヨタコースターでした。これ以前のトミカのマイクロバスは、かなり旧態化した三菱ローザが継続販売されてきましたが、このモデルの登場により一気に新しくなったと記憶しています。また三菱ローザでは園児バス仕様ありきで、様々なバリエーションが売られて来ましたが、このコースターは普通のマイクロタイプをプロトタイプにモデル化しており、後々のバリエーション展開に有利な様に、汎用性を重視したものになりました。

先ずはノーマル車に近い仕様として登場、しかも初回限定仕様として早速カラーバリエーションを引っさげてのデビューでした。通常モデルのライトブルー/ホワイトのツートーン、初回限定仕様のゴールド/ホワイトのツートーン、両カラーリング共にカタログ仕様の馴染み深いカラーで、バスコレクターにも歓迎されました。完全ノーマルでない部分として、ルーフにカーゴラックを載せており、まるでテレビ番組制作会社のロケバスの様なスタイルで、もしかしたら、初めからそれを狙った仕様だったのかも知れません。なおアクションとして乗降用のドアがスイングアウトで開閉可能で、この様な面からも基本的に園児バス仕様とは別に考えられていたと想定されます。

ボディそのものの出来は良いのですが、ホイールが一寸大きい様で、それが起因してプロポーションのバランスが僅かに崩れています。またロングボディをモデル化した事により、トミカの箱スケールに合わせる為にモデル全体が少々小さくなり、色々とレタリングする為の側面の面積が小さくなってしまいました。その為か約24年も売られていた、前モデルのローザよりもモデルライフははるかに短く、約6年で廃盤となりました。

しかし実車の多彩なバリエーションに支えられ、トミカの方も多くの派生モデルが登場する事になり、特販品を中心に多くのバリエーションモデルが登場しました。それはこのノーマル仕様が廃盤になってからも続きましたが、実車がモデルチェンジした事により、トミカからもタイムラグが少ないうちに新型が登場、このモデルの使命も終わりを告げる事になってしまいました。

2005年4月発売 発売当時価格 360円(税別価格)